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サムスン、アップルに譲歩 - 特許問題解決まで、豪での新型「Galaxy Tab」投入を見送り

2011.08.02

Updated by WirelessWire News編集部 on August 2, 2011, 10:41 am JST

サムスン(Samsung)が開発・販売する「Galaxy」シリーズのスマートフォンやタブレット端末が、アップル(Apple)製品に酷似しているとして、アップルがサムスンを訴えていた問題で、1日にオーストラリアで新展開があった。

同日にシドニーでこの問題に関する聴聞会が行われたが、そのなかでサムスンは、この訴訟が解決するまで、最新のタブレット端末「Galaxy Tab 10.1」の米国向けバージョンを豪市場では販売しないことでアップルと合意、また米国向けバージョンとは中味が異なるオーストラリア向けバージョンについて、同製品の市場投入前にアップルにサンプル3台を提供し、同社が販売仮差し止めを求める訴えを起こすかどうかを検討できるようにすることにも同意したという。なお、アップルはこの訴訟で敗訴した場合、サムスンに同製品の販売機会の損失から生じた損害額を補填する支払いを行うことになるとBloombergは伝えている。

アップルは「Galaxy Tab 10.1」がアップルの所有する10件の特許権を侵害しているとしており、オーストラリアでも当該製品の販売差し止めを求めている。また、1日の聴聞会のなかで同社の弁護士は、オーストラリア以外の地域でも当該のサムスン製品の販売差し止めを求めていくと述べたという。

これに対し、サムスン側の弁護士は、アップルの訴えは米国版「Galaxy Tab 10.1」に基づいたものだが、オーストラリア市場へ投入されるバージョンは米国向けのバージョンとは中味が異なると説明したという。

今回の合意に至ったサムスンの判断について、All Things Digitalでは、サムスンが米国版よりはオーストラリア版のほうがアップルの訴えを退ける上で有利と判断した可能性があると指摘している。いっぽう、知財分野の専門家でFOSS Patentsブログを運営するフロリアン・ミューラー(Florian Mueller)氏は、サムスンはオーストラリアの法廷で米国向けの製品に他社特許の侵害がないことを証明するという賭けには出たくないと考えたとした上で、この理屈は極めて説得力に欠けると述べている。

スマートフォンなど市場で首位争いを続ける両社は、4月半ばから米国や日本、韓国、ドイツなどの各国で、互いを特許侵害で訴え合う法廷闘争を続けている。またアップルはほかにも、HTCやモトローラ(Motorola)といったAndroid端末メーカーを相手取った特許侵害訴訟を起こしている。

7月半ばには、米国の国際貿易委員会(U.S. International Trade Commission:以下、ITC)が、HTC製品が自社特許を侵害しているとするアップルの主張を認める判断を下していた。FOSS Patentsのミューラー氏は、今回のアップルとサムスンの合意について、Android陣営にとってはこのITCの判断に続く2つめの大きな打撃との見方を示している。

【参照情報】
Apple Patent Lawsuit Puts Samsung's Tablet 10.1 Sales in Australia on Hold - Bloomberg
Apple Halts Samsung Galaxy Tab Launch Down Under - All Things Digital
Galaxy Tab 10.1 down under: Apple has Samsung on the defensive in Australia - FOSS Patents
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