2010年のモバイルビジネス市場は1兆6,550億円で前年比1,344億円(8.8%)増加となった。うち、着うた、電子書籍の売上などからなるモバイルコンテンツ市場は6,465億円で前年比940億円(17%)増加。通信販売の売上やオークションの利用料からなるモバイルコマース市場は1兆85億円で前年比404億円(前年比4.2%)増加となった(図1)。
▼図1:モバイルビジネス市場規模の推移(2006年〜2010年)
モバイルコマース市場は、モバイルサイトを利用した通信販売市場。ここで取り扱う市場は以下の3分野である。一つ目は一般的な通販を対象とした物販系市場、二つ目は興行チケット、旅行チケット、航空チケット、鉄道チケットなどを対象としたサービス系市場、三つ目は証券取引手数料、オークション手数料、公営競技手数料などを対象としたトランザクション系で構成する。またモバイル上でのオークションは個人間取引であるが、その手数料収入をトランザクション系として扱う。いずれも堅調な伸びを見せている(図2)。
▼図2:モバイルコマース市場規模の推移(2006年〜2010年)
===
モバイルコンテンツ市場とは、フィーチャーフォンにおける公式サイト(キャリア公式)のキャリア課金代行を主モデルとする音楽、ゲームなどのデジタルコンテンツを販売する市場と定義し、一般サイトにおけるアバター収入も範囲に含まれる。iPodやPSPなど携帯型デジタルオーディオ機器や携帯型ゲーム機でのコンテンツのダウンロードも広義にはモバイルコンテンツ産業の範疇に入るが、携帯電話をデバイスとすることで、この部分は、市場規模には含めない。
2010年はアバター/アイテム販売(SNS等)の市場の伸びが、市場の拡大を牽引している。(表1)。絶対額はそれほどでもないが、「生活情報市場」や「動画専門」カテゴリーの成長率が高い。なお参考として現在急成長しているスマートフォン市場についても調査を行い、2010年の市場規模は123億円と算出した。
▼表1:モバイルコンテンツ市場規模の推移(2006年〜2010年)
総務省の委託を受けてモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)(http://www.mcf.to/)が実施したもの。モバイルコンテンツ市場については、携帯電話事業者の発表資料及び主要事業者のデータとアンケート調査によって得られた結果を用いて推計した。モバイルコマース市場については、モバイルサイトを利用した通信販売市場に従事する主な事業者・団体にヒアリングを実施し、その結果を基に推計した。
【情報ソース】
2011年7月15日の総務省のモバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果。
・モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果
・公表資料 [PDF]
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら