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待ち遠しい気持ちはいずこも同じ? - 新型iPhoneをめぐる話題あれこれ(編集担当メモ)

2011.09.18

Updated by WirelessWire News編集部 on September 18, 2011, 12:51 pm JST

9月も後半に入り、10月中の発表・発売が予想される新しいiPhoneをめぐる話題が、ここに来てまた英語のIT系ブログなどで目立ってきている印象がある。例年より数ヶ月遅れの登場にしびれを切らしている人がいるのはどこも同じなのかもしれない。

有力なガジェット系ブログのBGR(Boy Genius Report)が米国時間15日に、未発表の「iPhone 5」用とおぼしきケースの画像が、Case-Mateというケースメーカーのウェブサイトで公開されたと伝えた。その後すぐに撤去されたこのケースの画像からは、すでに一部で未確認情報が出回っているiPhone 5の形状 -- iPhone 4よりも薄く、軽量で、縁の部分が「iPad 2」「iPod touch」のそれと同様、弧を描きながら徐々に薄くなっていくという話と一致するとBGRは述べている。

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[出典:BGR]

この記事を受ける形で、New York TimesのBitsブログでリーダーを務めるニック・ボルトン(Nick Bolton)は、新型iPhoneの関連の噂の「まとめ記事」を作成・公開(ただし内容からすると、Apple Fanboysと称される熱心なファンではなく、一般消費者向けに改めて・・という印象が強い)。このBits記事の骨子を先に記すと、

  • BGR(Boy Genius Report)で伝えられたCase-Mateの「iPhone 5」用とおぼしきペースの写真の話。
  • iPhone 5は、iPhone 4とは大幅に異なるものになり、具体的には800万画素のカメラを内蔵(iPhone 5は500万画素)-- これについては以前、コンポーネントを供給予定の、ソニーのハワード・ストリンガー(Howard Stringer)CEOがうっかり口を滑らせていたことに言及
  • iPad 2と同じ「A5」デュアルコアチップ
  • クアルコム製チップの搭載。
  • NFCチップの搭載 ---ただし今回(iPhone 5)で実現されるか先になるかはわからない。この支払いはiTunesアカウントとつながったものとなる。

などの点を挙げている。

いっぽう、このBitsの記事に被せる形で、9to5Macブログでは(「Bitsの記事には目新しい話はないなぁ」という口調で)、アップルが今年は新たに2種類のモデルを投入すると予想。このうちiPhone 4の形状をほぼそのまま引き継ぐ廉価版モデルについては、すでに大量生産の段階で、発売時には1000万台単位の在庫が準備されているとし、さらに米国では従来からのポストペイド契約に加えて新たにプリペイドの料金プランでの契約で提供されることになるとも記している。

いっぽう、より大型の画面が採用されるなどの可能性がでているiPhone 5については、製造が難しいらしく、複数ある生産ライン(ペガトロン、フォクスコンなどの外部の受託生産先)のうち少なくとも1つのラインでは生産に遅れが生じていることから、投入が廉価版にくらべて若干遅れ、来年まで品薄状態が続きそう、との考えを述べている。

さらに同ブログでは、iPhone 5は「信じられないほど軽くてしかも堅牢、内蔵カメラはコンデジ並みの高性能」としており、記事中には下記の一文も見られる。

"The iPhone 5 itself is a sight to behold, we've been told. It is impossibly light, yet much firmer than Samsung Galaxy phones which are backed in plastic. The camera rivals point and shoot cameras and will be a major marketing point for this device."

iPhone 5はそれ自体が注目に値する代物とわれわれは聞いている。あり得ないほど軽く、同時に(背面がプラスティックでできている)サムスンのGalaxy Sなどよりずっと堅牢で、内蔵カメラはコンパクトデジタルカメラと互角に勝負できる性能でiPhone 5の大きなウリ(セールスポイント)になるだろう。

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さらにGigaOMでは、AppleBlogを担当するダレル・イサリントン(Darrell Etherington)が、Bits記事と9toMac記事の両方に触れながら、それぞれの可能性について自説を展開。このなかで目を惹くのは、NFCに関するものと廉価版(いわゆる「iPhone 4S」)についての見解で、前者については、「いろいろ言われてきているけれど、実際にNFCチップ搭載のサムスン製Google Nexus Sを使っている自分は、まだこれを使って決済できる場所を目にしたことがない」などの理由に、アップルは今回iPhoneへの搭載は見送る可能性が高い、と述べている。

後者のiPhone 4Sについては、とくにプリペイド市場(米国のそれを含む)への投入の意義が大きいとし、これまで言われていた新興国市場だけでなく米国への投入もあり得る含みを持たせている。なお、この関連では米最大手のベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)が13日に、月額50ドルの定額性プリペイド料金プランを新たに発表している点が「ワイルドカード」となる可能性もある。ベライゾンのこの料金プランは、プリペイド契約でユーザー数を増やすスプリント・ネクステル(Sprint Nextel)やメトロPCS(MetroPCS)といった下位事業者への牽制を狙ったもので、2年契約が前提のより大きな売上を得られるポストペイド・ユーザーが増加中のベライゾンにとっては「保険」の意味合いが強いとされ、発表時点の対応端末もLGやサムスン、パンテック(Pantech)の製品に限られている。

ただし、もし9to5Macの推測通り、廉価版iPhoneが大量に準備されているとすると、それをどの地域の市場にどういう形で投入していくかもアップルにとっては重要になると想定されることから、その点では従来のやり方をそのまま踏襲できるiPhone 5よりも、より興味深いといえるかもしれない。

最後に、新型iPhoneの発表・発売の具体的なタイミングについては、CNETのMarguerite Reardonが、過去のiPhone やiPadの例に触れながら、「ふつうなら発売から1ヶ月ほど前には、報道関係者への案内が送られている。しかし現時点(米国時間16日)にはまだこの通知が来ていない」とし、よって「一部で出ている『10月7日発売』説のタイミングに間に合わせるには、もう間に合わない可能性が高く、その約一週間後の15日がほぼ妥当ではないか」と指摘している。

【参照情報】
iPhone 5 to have radical new design according to Case-Mate images - BGR
Plenty of Chatter About a New iPhone - Bits (NYTimes)
New York Times: iPhone announcement in weeks. Yes, we have more. - 9to5Mac -
An updated look at expectations for iPhone 5 (and 4S) - GigaOM
When is that darn iPhone 5 coming? (Ask Maggie) - CNET
Verizon to Push $50 Unlimited Prepaid Plan - WSJ.com
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iPhone 5、米ではスプリントも取り扱いへ - 発売時期は10月半ばか(WSJ報道)
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iPhone 5の「デュアルモード」対応に新たな証拠 - TechCrunch報道(編集担当メモ)

中国携帯通信市場3位のチャイナ・テレコムが10月に予定されるiPhone 5のマーケティング・キャンペーンに巨額の費用を投じるという記事はこちら

総額15億元(約2億3400万米ドル)のキャンペーンの開始に向けて、すでに各店舗での従業員トレーニングや、店舗内での広告設置などの準備を進めているという。

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