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ノキア、Linuxベースの低価格端末向けOS「Meltemi」を開発 (WSJ報道)

2011.09.29

Updated by WirelessWire News編集部 on September 29, 2011, 17:18 pm JST

ノキア(Nokia)が低価格のスマートフォン向けとなるLinuxベースのOS開発プロジェクトを進めていると、Wall Street Journal(WSJ)が米国時間29日に報じた。

開発コード名「Meltemi」というこのプロジェクトは、ノキアでモバイル端末部門の責任者を務めるメアリー・マクドゥウェル(Mary McDowell)氏が指揮をとり、同社にとって主要な収入源であるフィーチャーフォンに代わる低価格帯のスマートフォン向けOSをつくろうとしているという。

ノキアはステファン・イーロップ(Stephan Elop)氏が昨年CEOに就任するまでは、主力OSのSymbianのほかに、インテル(Intel)と協力してLinuxベースの「MeeGo」OSの開発を進めていた。しかし経営陣の交代後に、今後のスマートフォン用主力OSとしてマイクロソフト(Microsoft)の「Windows Phone」OSを採用するという新たな方針が打ち出され、これにともなってMeeGoの位置付けも微妙なものとなっていた。

MeeGo
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ノキアでは今週、このMeeGoで動作する初めてのスマートフォン「N9」を出荷し始めた。N9は3.9インチのタッチスクリーンなどを搭載するハイエンド機で、ロシア、ブラジル、中国などあわせて50カ国の市場で販売される見通しで、価格については480〜560ユーロ(650〜760ドル)になるという。

ノキアでは、N9に続くMeeGo搭載スマートフォンの開発を計画しておらず、2月にWindows Phone採用を打ち出した際にはMeeGoを次世代機器向けのプラットフォームとするとの方向性を示唆していた。これにともない、4月にはMeeGo開発に携わっていた同社従業員に対して、Meltemiに関連するプロジェクトへの移動の機会があると伝えていたという。

WSJでは、Window Phone OSと平行して独自のOS開発を目指すノキアの目論見について、グーグルのAndroidやマイクロソフトのWindow Phoneとともに社内で「Bada」OS開発を続けるサムスンのそれと似たものと指摘。サムスンのようにハードウェア中心に事業を展開してきたメーカー各社では、AndroidやWindows Phoneなど他社製OSの採用にともなう競合端末メーカー他社との製品差別化の難しさという問題に直面している。また、Androidについては、知的所有権(特許)の侵害に関連する懸念がつきまとい、実際にHTCやサムスンではこの回避策としてマイクロソフトとの間でライセンス料を支払う契約を結んでいる。また、とくにノキアでは、同社のフィーチャーフォンが長年にわたって大きなシェアを維持してきたインドや中国などの新興市場で、このところAndroidベースの低価格スマートフォンが台頭しつつあることから、こうした携帯電話ユーザーのニーズの受け皿となるスマートフォンを投入する必要が高まっているとしている。

なお、MeeGo開発でノキアのパートナーとなっていたインテルは、この前日に発表されたオープンソースのモバイルOS開発プロジェクト「Tizen」で、サムスンとともに開発主体となる意向を表明している。いっぽう、サムスンでもBada OSのオープン化を検討していると伝えられ、さらにHTCでもモバイルOS獲得を視野に入れていることを同社会長が認めるなど、Android、iOSへの対抗を視野に入れた関連各社の動きがさらに活発化する気配を見せている。

【参照情報】
Nokia Aims Software At Low-End Phones - WSJ.com
Nokia developing low-end phone operating system: report - Reuters
Nokia's Meltemi project tipped to bring new low-end Linux OS to "the next billion" - The Next Web
サムスン、Android端末関連のライセンス料支払いでマイクロソフトと合意
リナックスとリモ、新プロジェクト「Tizen」を発表 - インテルとサムスンが開発主体に
サムスン、「Bada OS」の他社への提供を計画 - 来年にも実施へ(WSJ報道)
HTC、モバイルOS獲得を視野に - 「社内で検討」も「衝動買いはない」と王会長

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