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新たなエコシステムを模索する通信事業者

2012.03.01

Updated by Shigeyuki Kishida on March 1, 2012, 10:13 am JST

世界の信通事業者は、このMobile world Congressにおいてこれまで大手機器ベンダーとともに主導的な役割を担ってきた。CEOクラスが登壇するキーノートセッションにおいても、個別トピックに関する戦略や取り組みを語るセッションにおいても、注目度が高い。

スマートフォン時代の到来とともに、通信事業者をとりまく環境が変わってきたが、とくに今年は、各通信事業者のコメントに一貫性が見られる。キーワードは、「エコシステムの模索」であろう。

米AT&Tは、変わる消費者に対応するための、今後のコンセプトについて語った。
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英Vodafoneは、従来からの取組みをトレースする内容で、事業モデルそのものよりもむしろ、規制当局への理解を求めるスタンスが見られた。
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一方、こうした現状を打破するキーワードとして掲げられたのが「クラウド」である。

独ドイツテレコムは、「クラウドはダムパイプでは実現しない」と言い、この分野へ注力するスタンスを見せた。
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また韓国SKテレコムは、クラウド事業推進に向けて分社化したSKプラネットの取組みを紹介し、通信事業者としての事業領域拡張について語っている。
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上記の内容のそれぞれについて、発表スライドを中心に各社別に紹介したい。

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AT&T(米国)

米AT&Tは、消費者の求めるものをいかにして提供するか、そのための開発者支援の現状と今後のコンセプトについて語った。

▼AT&Tモビリティ デラベガCEO
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▼「Our Mobile Future」
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▼データは今後も急増。
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▼つながる機器も急増。
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▼好循環なイノベーションサイクル
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▼消費者の価値観の変化「生活をより豊かにしてくれるもの」
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▼消費者を苦労させないものに
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▼エコシステムにイノベーションを
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▼持続するイノベーションを
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Vodafone(英国)

英Vodafoneは、事業モデルそのものを直接的に語らず、むしろ苦しい事業環境をにじませ、規制当局への理解を求める姿勢を見せた。大筋では、昨年のMWCでの発表と大きく変わっていない。

▼ボーダフォン ビットーリオ・コラオCEO
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▼つながる機器が今後も急増
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▼人々はこれまでになく、モバイルに依存している
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▼「オープンなインフラ、協調投資」「新サービスへのコラボ」「支援的な規制」
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▼成長のための、支援的な規制
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ドイツテレコム(独)

独ドイツテレコムは、通信回線の重要性を、クラウドへの高いニーズから導き出していた。また、通信事業者の今後の姿についても提示していた。

▼ドイツテレコム レネ・オーバーマンCEO
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▼下がる通信サービス料金、増えるデータトラフィック
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▼いまは「あらゆるものがクラウドに向かう」
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▼「ダムパイプでは、クラウドサービスは提供できない」 
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▼ダムパイプ対スマートパイプ、は過去の問題
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▼通信事業者のイノベーションとは「つなぐこと」「できるようにすること」「製品」でのイノベーション
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▼ユーザー体験の品質とは、「優れて賢い接続性」+「セキュリティ」
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SKテレコム(韓国)

韓SKテレコムは、クラウドを含めたICT付加価値サービス事業の拡大を狙い、SKプラネットを分社化。自社グループに閉じない事業展開を目指している。

▼SKテレコム ビュンEVP/CTO
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▼SKプラネットを分社化
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▼通信事業者の挑戦:OTTプレイヤー、トラフィック/設備投資と収益の不均衡の拡大
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▼戦略の方向性:「スマートパイプへ移行」「網の効率性向上」「IT市場への参入」
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▼ダムパイプからスマートパイプ、ビッグデータへ
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▼B2C向けクラウド、B2B向けクラウド
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※修正履歴
 3/5 16:40:当初、1ページと4ページに掲載したドイツテレコムの発言にて、「クラウドはダムパイプなしには実現しない」と記述しておりましたが、正しくは「クラウドはダムパイプでは実現しない」でしたので、訂正いたしました。(本文は修正済み)
 

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岸田 重行(きしだ・しげゆき)

情報通信総合研究所上席主任研究員。1990年一橋大学卒業、NTT入社。1997年より現職。海外・国内のモバイル通信業界に関して、サービス動向から企業戦略まで広く調査研究を行っている。「通信事業者はどこへ行く」(「情報通信アウトルック2011」共著)「アプリケーション・ストア・ブームの衝撃」(「情報通信アウトルック2010」共著)「LTEの提供エリアはスムーズに広がるのか-世界におけるLTE普及への展望」(日経コミュニケーション2009年7月15日号)など、記事執筆・講演多数。