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クアルコム、端末同士が直接つながる「LTE Direct」などLTEの多様な姿を提示

2014.02.26

Updated by Naohisa Iwamoto on February 26, 2014, 07:07 am JST

スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2014(MWC 2014)でクアルコムは、今後のLTEが提供する新しい姿を提示する展示を行っていた。クアルコムのLTEモデムを使ったLTE-Advanced Category 6の接続デモや、LTE端末同士をネットワークの配下で直接接続させる「LTE Direct」のデモなどが行われていた。

LTE-Advancedの展示では、下り300MbpsのCategory 6の接続デモが行われた。デモはクアルコムのマルチモードLTEモデムである「Gobi 9x35」が搭載された端末と、エリクソンのネットワークを使用したもの。Gobi 9x35は最大40MHz帯域のキャリアアグリゲーションに対応しており、試験機は有線で接続するデモながら、理論値の300Mbpsが得られていることを示した。

▼LTE-Advanced Category 6で300Mbpsが得られている状況を示す(左)。端末にはLTEモデム「Gobi 9x35」を利用してデモを行った(右)20140225_Qualcomm001.jpg

LTE端末同士が直接つながる「LTE Direct」のデモも行われた。LTE DirectはLTEの通信方式を利用しながら、基地局との通信以外にLTE端末同士を自動的に発見できるようにする技術。LTE Directに対応した端末が数百メートルといったエリア内に入ると、相手の端末を発見することができる。端末同士の直接のデータ通信も可能だ。デモでは、店舗役のLTE端末と顧客役のLTE端末の間でLTE Directを利用し、店舗の近くにあるLTE端末には広告を送ったり、近隣にある端末同士でSNS的なコミュニケーションサービスを実施する様子を示していた。シールドされていた端末を取り出す(実際には他の端末に近づく)状況では、LTE Directにより他の端末のSNSに近づいた端末の所有者名が表示されることも示した。LTE Directは3GPPのリリース12で標準化が進められており、2014年中には標準化が完了するという。クアルコムは2月25日に、ドイツテレコムと共同でLTE Directの実験を開始すると発表している。

▼「LTE Direct」のデモ。奥が店舗を模した端末、手前がユーザーの端末。直接通信によって近隣にいることがわかったユーザー端末には、店舗の広告情報が示されている20140225_Qualcomm002.jpg

Wi-Fiで使われている5GHz帯のアンライセンスバンドを、Wi-Fiオフロードの用途で使うのではなく、LTEの通信方式で使おうというのが「LTE-Advanced in Unlicensed Spectrum」で、会場では技術の説明が行われていた。これは、LTEとWi-Fiでは全く方式が異なるのに対して、5GHz帯でもLTEを使えば、800MHz帯や2.1GHz帯などのライセンスバンドのLTEとの融合がしやすいというもの。アンライセンスバンド上で通信事業者がLTEによる通信を提供するための法的整備など課題はあるが、クアルコムではWi-Fiに代わるトラフィックのオフロード手段として開発を進めているという。

▼「LTE in Unlicensed Spectrum」の概念を示すスライド20140225_Qualcomm003.jpg

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。