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ノキア、1−3月期決算 - スマートフォン出荷台数半減、中国市場でも大苦戦

2012.04.20

Updated by WirelessWire News編集部 on April 20, 2012, 12:33 pm JST

ノキア(Nokia)が欧州時間19日、2012年1-3月期の決算を発表している。Symbian端末の売れ行き不振加速、Windows Phone端末の苦戦、そしてシーメンスとの通信機器JV、ノキア シーメンス ネットワークス(NSN)にようやく改善の兆し、といった点が複数の媒体で伝えられている。

同四半期の売上は73億5000万ユーロ(約9650億ドル)で前年同期比29%減(前四半期比26%減)と、2004年以来最も少ない数字に。また、リストラに伴う一時的な費用11億ユーロを計上したため、営業損益は13億4000万ユーロのマイナスに転じ、純損失も9億2900万ユーロに拡大。なお、過去1年間の累積赤字は24億ユーロになったという。この発表を受けて、同社株価は過去15年間で最安値をつけている。

同社は先ごろ、1−3月期の業績見通しを下方修正していたが、今回発表された大幅な赤字はほぼこの予想通りで、主に端末部門の不振が原因だという。同部門の売上は前年同期比40%減で、市場別ではとくに中国市場での売上が70%も減少。また製品分野別では、iPhoneやAndroid陣営との激しい競争にさらされているスマートフォンの出荷台数が51%減の1190万台、フィーチャーフォンについても16%減の7080万台となっている。

いっぽう、昨年10月に発売したWindows Phone OS搭載スマートフォン「Lumia」シリーズに関しては、同四半期の販売台数が200万台以上になった。なお、英国などの市場では苦戦がつづくいっぽうで、米国市場ではいまのところ予想を超える売れ行きだという。

ノキアは今後について、すでに45か国で販売しているLumiaシリーズの品揃えを充実させることで売上を改善し、端末・サービス部門でのコスト削減を進めていくとしている。

同社のステファン・イーロップ(Stephen Elop)CEOは同社が「業界全体が変化しつつある中で重要な転換期にある」としながら、「近年、新たな戦略で進歩をしてきたものの、予想以上に激しい競争に直面している」と話している。

また、大規模なリストラを進めているNSNについては、第1四半期の売上が前年同期比7%減の38億5000万ドル、営業赤字は13億ドル(前年同期は1億8580万ドルの赤字)となった。リストラ費用については、同四半期に約10億ドル(7億7200万ユーロ)を計上したが、これにかかる費用の総額は計画発表時に挙げていた13億ドルを上回る可能性もあるという。

なお、NSNの営業利益率は同期に5%と前年同期のブレイクイーブンから改善しているが、Bloombergでは「NSNは今後5%を超える利益率を残せることを示す必要がある」とする独ウェストLB(WestLB)アナリスト、トマス・ランガー(Thomas Langer)氏のコメントが紹介されている。

【参照情報】
Nokia slumps to €1.4bn loss - FT
Nokia Reports Operating Loss on Nokia Siemens Costs - Bloomberg
Nokia's Elop: Lumia 'actual sales have been mixed' - ZDNet
Nokia: Lumia US launch exceeded expectations but UK market 'more challenging' - The Verge
Nokia Siemens' Q1 sales drop 7%, but firm promises improvement - Fierce Wireless
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