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アップル、「iCloud」の写真・動画共有機能を拡張へ - iOS6リリースにあわせ

2012.05.15

Updated by WirelessWire News編集部 on May 15, 2012, 09:59 am JST

アップル(Apple)が、6月11日から開催される同社の開発者向けイベント「WWDC」(Worldwide Developers Conference)で、「iCloud」の新バージョンを発表する可能性を、Wall Street Journalが関係者の話として報じている。

iCloudは昨年のWWDCで発表され、10月にリリースされたクラウドベースのデータ同期・共有サービスで、たとえばiPhoneで撮影した画像やiTunesで購入した楽曲や映画などのコンテンツを、複数のアップル製端末で楽しめるというもの。またApp Storeからダウンロードした電子書籍やアプリの保存・同期や、写真を共有するアルバム機能「Photostream」も用意されており、ユーザー数は今年4月時点で1億2500万人を超えたという。

アップルは現在、OSの新たなバージョン「iOS6」のリリースにあわせ、このiCloudの新バージョンの準備を進めている。新たなiCloudのUIやアイコンは、beta.icloud.comから覗き見ることができるという。

iCloudの新バージョンで強化される機能として、Wall Street Journalの情報提供者は、写真や動画の共有機能を挙げている。「Photostream」では現在、同一ユーザーが複数のデバイスから同一の写真にアクセスすることが可能だが、新バージョンでは新たに他のiCloudユーザーと写真を共有したり、他のユーザーの写真にコメントを書き込むことも可能になるという。また新しいiCloudには、写真だけでなく、動画を共有する機能も加わるという。

今回のアップルの動きの背後には、フェイスブック(Facebook)や、同社が買収する予定のインスタグラム(Instagram)といった写真共有サービスの急成長があるとみられる。ただしこうした競合サービスと比べると、新たなiCloudで提供される機能はベーシックなものにとどまる見通しだという。

クラウドベースのオンラインストレージ/ファイル同期・共有サービスは現在もっとも競争が激化している分野のひとつで、さまざまな有力ベンダーが取り組みを強化している。先月下旬にはグーグル(Google)が長らく噂されていた「Google Drive」をついにリリース、マイクロソフト(Microsoft)でも「SkyDrive」を刷新、フェイスブック(Facebook)も先週「グループ」サービス利用者向けのファイル共有機能を公開、さらにこの分野で先行するベンチャー企業、ドロップボックス「Dropbox」ではサムスンが新たに発表した「Galaxy S III」ユーザーに最大50GBのストレージを無料で提供する計画を発表するなど、デバイスメーカー各社との提携の動きも進めている。

【参照情報】
Apple Preparing Upgrade to iCloud - Wall Street Journal
Looks like iCloud will get some big upgrades at WWDC - GigaOM
iCloud beta website reveals plans for Notes and Reminders web apps, affirms iOS 6 beta coming soon - 9to5 Mac
サムスンとDropbox、GALAXY S III 購入者に最大50GBの追加クラウドストレージを提供 - Engadget日本版
Google Drive 対 Dropbox、SkyDrive、iCloud 詳細比較チャート - Engadget日本版
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