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ファーウェイとZTEに欧州でダンピングの疑い - EU当局が対抗措置の準備

2012.05.29

Updated by WirelessWire News編集部 on May 29, 2012, 11:21 am JST

中国の通信機器メーカー、ファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies)とZTEの2社が、欧州連合(EU)域内で、製品を不当に安い価格で販売したとして、EU当局が両社にペナルティを科す準備を進めていると、Financial Times(FT)やReutersなどが伝えている。

欧州委員会(European Commission)では過去数ヶ月にわたって、この件に関する証拠集めを続けてきており、現地時間17日にはEU加盟国の代表者を集めた会議のなかで、両社が中国政府からの補助金を利用して原価を下回る価格で製品を販売したことを裏付ける「かなり確かな証拠」が得られたと伝えたと、FTでは記している。この会議に出席したある関係者は、2社に対するダンピングの正式な訴えははやければ来月にも起こされる可能性があると語ったという。

欧州委員会が、中国政府からの補助金を不当と判断すれば、2社に対して懲罰的な関税が課される可能性もある。

EUで通商問題を担当するカレル・ドゥ・グヒュト((Karel De Gucht)コミッショナーは今月に入って、EUがダンピングをする貿易相手国に対し、貿易障壁を設けることを検討していると述べていた。またとくに中国政府に対しては、報復の可能性を示唆して、欧州企業を黙らせるやり方に対し対抗措置を講じる構えがあると述べていたという。

いっぽう、通商問題を専門とするアナリストのなかには、深刻な経済状況に置かれたEUにとって、こうした強気の戦術が逆効果となることを懸念する見方もあるとFTは記し、とくに欧州の通信機器メーカー各社が成長著しい中国市場での事業拡大をねらって投資を行ってきていることをあげて、これらの各社に対する報復措置が取られる可能性もあるとしている。

ファーウェイおよびZTEは、エリクソン(Ericsson)、ノキアシーメンス ネットワークス(Nokia Siemens Networks:NSN)、アルカテル・ルーセント(Alcatel-Lucent)など、欧州の通信機器メーカーと競合している。

【参照情報】
Beijing faces Brussels action on telecoms aid - FT
China's Huawei, ZTE face EU action on telecom subsidies: FT - Reuters
EU will probe Chinese subsidies to Huawei and ZTE - Inquirer

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