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スクウェアのジャック・ドーシーCEO、海外進出の意向表明(Bloomberg報道)

2012.07.12

Updated by WirelessWire News編集部 on July 12, 2012, 11:16 am JST

Square Register
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モバイル決済プラットフォームを手がけるスクウェア(Square)が、海外市場進出を視野に入れていることが明らかとなった。

同社の共同創業者でCEOをつとめるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は10日、米アイダホ州のサンバレーで始まったアレン&カンパニー(Allen & Co.)主催のメディアカンファレンスで、「次なるフロンティアは米国外」「すぐに国外に進出する」と語った。

スクウェアは、ツイッター(Twitter)の発案者で現会長としても知られるドーシー氏らが、2009年に設立したベンチャー企業で、もともとスマートフォンやタブレット端末に接続して使うクレジットカードリーダーならびに対応アプリの提供から事業をスタート。通常のクレジットカードでは審査などに導入に手間がかかる(あるいは難しい)個人や小規模な商店ーーカフェやギャラリーなどを中心に導入件数を伸ばし、導入件数は200万箇所まで増加(6月時点)。またそれに伴って取り扱う決済金額は1年前の年間20億ドルペースから、最近では同60億ドルのペースまで成長。さらに最近では、レジスターと連動し、顧客のクレジットカードを直接読み取る必要のない決済方法まで提供し始めている。

この動きに対抗して、オンライン決済大手のペイパル(PayPal)やPOS業界最大手のベリフォーン(VeriFone)でもSquareのドングルに似た端末と対応アプリを提供するようになっている。

スクウェアのビジネスモデルはいまのところ手数料ベース(小売業者から決済金額の2.75%を聴衆)で、この収入のなかからビザなどのクレジットカード会社に支払うコストが発生するために、利益自体はまだ少ないとみられるものの、潜在的な成長力が買われ、昨年には16億ドルの評価額で1億ドルの資金を調達していた。なお同社の取締役会にはメアリー・ミーカー(Mary Meeker)、ヴィノッド・コースラ(Vinod Khosla)といった有力投資家(VC運営者やパートナー)のほか、ラリー・サマーズ(Larry Summers)元財務長官/ハーバード大学総長も名を連ねている。

なお、毎年恒例となっているアレン&カンパニーの夏のカンファレンスは、もともとメディア業界の大物を中心にさまざまな有力者が集う場として知られていたもの。かつてのディズニー(Disney)によるABC買収や、昨年完了したコムキャスト(Comcast)によるNBCユニバーサル買収なども、ここでのトップ同士の話から始まったとされる。同時に、90年代後半からはテクノロジー業界からの参加者も目立つようになり、昨年にはフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOなどの参加も話題になっていた。今年はアップルのティム・クック(Tim Cook)が「アップルからはじめて参加した」として大きな注目を集めているようだ。

【参照情報】
Square CEO Jack Dorsey Says Company to Go Outside U.S. - Bloomberg
Square's Next Frontier: Dorsey Says Payment Company Heading Abroad - CNBC
The death of cash - Fortune
The Many Sides of Jack Dorsey -
Tech groups put media in shade at Sun Valley - FT
Amid the Moguls, Apple's Cook Stands Out - NYTimes
ベリフォーン、スクウェアに反撃 - 新モバイル決済プラットフォーム「Sail」発表
ソフトバンクとPayPal、モバイル決済ソリューション「PayPal Here」を日本で展開
年間取扱高すでに40億ドル - スクウェアがPOS端末に替わるiPadアプリ

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