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携帯が強奪される治安はグローバルスタンダード

2012.08.31

Updated by Mayumi Tanimoto on August 31, 2012, 08:23 am JST

ルーマニアの日本人女子大生殺害事件の容疑者が、被害者の方が持っていたデジカメを売りさばいた件に驚いていた方が少なからずいたようでありますが、ワタクシは「そんなことで驚いてるのか」と唖然としたのであります。

なんという平和ボケでしょう。

日本は異様な国なんですよ、皆さん。

皆さん、日本で世界制覇だとか、日本は世界の最先端だなんだと騒がれていた(過去形) オサイフケータイの件覚えてます?

なんでああいう機能が海外では日本ほど広まらなかったか。

ITジャーナリストや携帯コンサルは「規格化の問題だ」「海外の機種より進みすぎている」「非接触リーダーの設置にはコストがかかり...」と技術面の理由ばかりほざいてましたが

重要な点を見逃してます。

危ないからです。

ルーマニアの件を見てください。あのね、日本の外は治安が悪いんです。経済格差がでかいんです。携帯や電子機器は略奪の対象なんです。デバイスだけでも転売して金に変えたい、という悪い連中が大勢いるんです。そのぐらい貧しいんです。

私が個人的にやってるブログの方にOECD諸国の犯罪率のリンクを載せてますが、スペインなんか人口10万人あたりの窃盗が日本の300倍なんですよ。

一応先進国でこれです。発展途上国なんて言うまでないでしょう。貧しければ略奪するのが当たり前なんですよ。取られた方が悪いんです。そういう感覚なんです。

日本はね、極東に隔離されてて、お人よしの村人が集まった田舎なんです。

携帯が略奪の対象だってのは、先進国のはずのイギリスやフランスなんかでも同じでしてね、治安が悪い場所ではスマフォなんか絶対に外で使っちゃいけないんです。地元新聞には毎週のように携帯狩りやったギャングの記事が載ります。取られた方?ボコボコにされて病院送りですよ。下手したら殺されます。

先週うちの近所では知的障害者の方が時計を略奪されて、ボコボコに殴られて死にかけました。でもこんなの地元の数千人がよむタウン紙にしか載りません。珍しくないから。

イギリスの場合、こういう風に殴打と刺殺が多いですよ。相手が障害者だろうが、女だろうが、子供だろうが、関係ありません。単なる略奪の対象ですから。

こんなに危ないのに、携帯に社員証から電子マネーからポイントカードまで放り込みたいと思います?

遠隔でリセットできる機能があっても、こっちじゃ携帯プロバイダやポイント事業者なんて電話は繋がらないし、仕事は間違いだらけです。イタリアはもっといい加減。万が一盗まれた場合や不正使用された場合に、恐ろしいわけですよ。リセットなんてどうせすぐにできないんですから。

スマフォからクラウドや事業者のサイト経由で支払いするならまだいいですが。

イギリスの銀行は口座開くとサービスで携帯用の保険が付いてくることがあります。なんでそんな物があるか?それだけ盗まれることが多いからですよ。日本じゃ想像つきませんよね。私も入ってますが。

日本のITジャーナリストや携帯コンサルは、北米や欧州はオサイフケータイ後進国と騒いでましたが、平和ボケしてるだけですね。海外にたった一人で住んで、仕事で夜遅くなって、携帯略奪されるから早く帰ろう、なんて思った経験ないから。モニタの前で統計データ見てるだけですからね。怖さがわかんないでしょう。メーカーや通信事業者で海外マーケや商品企画する人だって同じですよ。頭の中が極東島国の村人なんです。

海外で何がうけるのか、何が必要なのかは、実際に住んでみて、肌で感じないとわかりません。わからないなら、地元の人間を雇えばいいんです。育てている暇なんてないんだから。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。