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ソフトバンクモバイル、非常時にも使える衛星電話サービスを提供へ

2012.12.14

Updated by Naohisa Iwamoto on December 14, 2012, 18:05 pm JST

ソフトバンクモバイルは2012年12月14日、衛星電話サービスを2013年2月以降に提供すると発表した。災害時などの非常時に通信インフラを確保できるサービスとして提供を開始する。同社が衛星電話サービスを提供するのは初めてのこととなる。

衛星電話サービスの衛星通信設備としては、アラブ首長国連邦のThuraya Telecommunications Company(スラヤ テレコミュニケーション カンパニー)が提供するものを利用する。このため、ソフトバンクモバイルは総務省に対して、衛星電話サービスの電気通信事業者としてスラヤの衛星電話の特定無線局の包括免許を申請していた。同日、関東総合通信局が免許を付与したため、サービス提供を発表した。スラヤの衛星電話のサービスエリアは、北南米などの一部の国と地域を除く全世界。日本のエリアカバー率は100%という。

衛星電話サービスは、東日本大震災で被災した地域での暫定的な通信サービス提供や伝送もう復旧活動の一環として、その有用性が大きく見直された。NTTドコモは日本向けの専用静止衛星を使う「ワイドスター」、Inmarsat(インマルサット)静止通信衛星を使う「IsatPhone PRO」を提供する。また、KDDIは低軌道衛星を使う「イリジウムサービス」と、ドコモと同様にインマルサット静止衛星を使う「インマルサットサービス」を提供している。ソフトバンクモバイルも今回の施策で、自社の衛星電話サービスを提供することで非常時などに備えたサービスのラインアップを揃える。

【報道発表資料】
衛星電話サービスの提供について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。