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ボッチよ立ち上がれ、そして自分商店になれ

2013.02.13

Updated by Mayumi Tanimoto on February 13, 2013, 10:45 am JST

全国の喪男および友達すらいないボッチのみなさん、そろそろ真冬の暗黒祭りバレンタインデーです。

日本では女性が男性に数百円のブツを渡して「一ヶ月後に20倍の値段の物をよこしな。でもね、あたしはお前の様に小指みたいなブツを持っている上、キモい男と性交はしないのだYo! ファック!!」と叫ぶ儀式の日です。

喪男および友達すらいないボッチのみなさんは、この日、下駄箱がパンパンになっている同級生の端末に、何度DoS攻撃を仕掛けてやろう思ったことでしょうか。もしくは、そいつがバレンタイン前に、TwitterかFacebookで暴言を吐いて逮捕されないかと期待したこともあるでしょう。

いいんです。それは自然です。喪男もボッチも全世界にいるんです。カップル文化のある国、例えばアメリカとかイギリス、イタリアなんか、喪男だったり、ボッチだったりするのって、日本より何倍も悲惨なんです。

どこに行くのもカップルが当たり前だし、仕事まで妻とか夫とかパートナー(ゲイの場合)同伴当たり前だったりするので、ツガイになってない人って、人間扱いされないんですよ。これ女でも同じです。高齢毒女って日本より遥かに悲惨です。行く場所はないし、お一人様で旅行とか宿泊って基本的にないので。

イタリアは特に悲惨ですよ。不細工は師ねって文化の国だから。アモーレ、アモーレで、どこもかしこも一年中発情してるんです。爺さんや婆さんまで全身発情した性器なんだもん。悲惨ですよ、ほんとに。不細工や服が変な人には南極並みに冷酷。

アメリカとかイギリスはみんなデブだし、服も変だし、髪型もダサいから、多少変でも平気なわけです。イタリアはみんな奇麗だから、不細工だとほんと人間扱いされないんですよ。あたし?人間扱いされませんでしたよ。だから引っ越した。引っ越して清々した。イギリスは不細工とデブばっかりだから。

しかも、今世界中に悪のストーカーツールであるFacebookが広まってしまって、全世界的にリア充自慢しなくちゃならないわけです。あれが苦痛な人、日本だけじゃないですよ。

アメリカやイギリスやイタリアだって、喪男、喪女、不細工、友達がいない人間には拷問の様な道具ですよ。あれがあると、自分が社会的落伍者って可視化されちゃうんだもの。あたし?あんなもの使ってないですよ。地球から消え失せろって思ってんだもの。知り合いの不細工な赤ん坊の写真も、何食べましたって写真も見たくも知りたくもないですよ。「いいね!」の代わりに「うぜえ!」「つまんねえ!」を連打したいと思ってますから。ローンでがんじがらめなのに無理して旅行に行って、自称コンサルタントっていう名前の失業者で、プロジェクトを立ち上げたって言ってるけどeBayで物売ってただけだって知ってるんだもの。

ところで、そんなボッチや毒男にとっての希望になる様なネタがTechcrunchに載っておりました。

How Two Undergraduates Went From Forever Alone To Thousands In Sales

アメリカの二人のヲタ大学生がForever Aloneのフィギュアを3Dプリンタで作って売ってみたら、ネットで話題になっちゃって、BoingBoingで取り上げられちゃって、ThinkGeekというヲタ向けグッズ(あたしはここの客ですがね)の店で売ってくれる様になってしまって、生産が追いつかないから、とうとうアジアの某国で外注して現地生産してガッポガッポ儲かってしまった、というお話です。(しかし、のま猫騒動みたいにならなければいいんですが。。。)

Forever Aloneというのは、英語圏発祥のミーム(ネットで話題になるもの)で、「俺って永遠に独りだぜ。彼女もいないし友達もいねーよ。そうだよ、ボッチのリーマンだよ!」を擬人化したキャラであります。

4chanで2009年ぐらいに人気が出て、パロディ漫画とか動画でわーっと広まりました。要するに喪男の擬人化ですね。

それをフィギュア化してみたというのが上記なのですが、ヒットしたポイントは「俺たちと同じ様にネットに張り付いてて、ゲームやってて、友達がいない奴らの好きな物を知ってるから」でありました。3Dプリンタで作って売ってみたというのもポイントですね。

要するに何が言いたいのかというと、喪男だろうが、喪女だろうが、友達すらいないボッチだろうが、得意なことはあって、自分が良く知っている分野というのがあり、それを強みにして自分商店をやってしまえば、「チョコの20倍のブツをよこしな」と言っているビッチとか、ネットでリア充自慢している自称コンサルタントに「ざまーみろ」と言うことが可能なわけです。Facebook載せるバーベキュー大会の写真がなくっても、自殺したいと思う必要はないわけなんです。

「さまーみろ」という相手は、ビッチだろうが、同僚だろうが、バーコード頭の上司だろうが、「あの子ってニートなんですってよ、奥様」とほざいている近所の住人だっていいわけです。

というわけで、バレンタインだからって、喪男も喪女も友達すらいないボッチも絶望するなよということです。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。