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NEC、2画面折りたたみ式スマホが大人気、仮想化EPCの動作を実演

2013.02.28

Updated by Naohisa Iwamoto on February 28, 2013, 16:37 pm JST

Mobile World Congress 2013(MWC 2013)では日本企業も存在感を示していた。NECのブースでは、来場者に一番目立つコーナーに日本で「MEDIAS W」として発表されている2画面折りたたみ式スマートフォンを展示。常に人混みが絶えず、海外での注目ぶりがよくわかる。また、LTEのコアネットワークを制御するEPC(Evolved Packet Core)の仮想化ソリューションを、実際に動態展示していた。

▼来場者が途切れることのない2画面折りたたみ式スマホのコーナー20130227_nec001.jpg

日本ではNTTドコモが2013年春モデルの1製品として発表している「MEDIAS W」が、日本以上に注目されているようだ。NECブースには、日本向けの「MEDIAS W」と、そのグローバルモデルが並べて展示してある。グローバルモデルは国内向けと基本的なハードウエアは同じだが、国内向けの機能を外し、ソフトウエアに若干の手を入れているとのこと。カラーも国内にはない落ち着いたレッドが目を引く。折りたたむとスマートフォンスタイル、開くと大画面のタブレットスタイルというコンセプトや、タブレットスタイルでの2画面の使い勝手の良さが、日本発の新しい製品として気になるようだ。

▼国内にはい赤いボディーを採用したグローバルモデル20130227_nec002.jpg

説明員によれば、「非常に感心の度合いが高いと感じている。特に海外のメーカーはVIPを含め多くの人が実機を触りに来るほどだ。皆同じような大画面の製品になっていく中で、スマートフォンの新しいトレンドをNECが発信できたことを自負している」と言う。グローバルモデルを展示していることで、海外の通信事業者も興味を持って見ているとのことで、今後の海外展開のきっかけになりそうだ。

▼画像を写すと即座にリンクなどが表示される「GAZIRU」のデモ20130227_nec003.jpg

他に人だかりができていたのは、 画像認識サービス「GAZIRU」のデモ。タブレット端末やスマートフォンのカメラで、ポスターやテレビ画面、パソコンの画面、さらには製品そのものなどを写すと、即座に画像を認識してあらかじめ設定したリンク先などを表示するものだ。日本では博報堂が「広告+」と呼ぶ画像認識広告サービスで採用している。クラウド型のサービスで画像認識を行うため、登録してある画像や商品などがカメラに写ると即座に結果が表示される。写すだけのシンプルさと、結果表示のスピードに、来場者は感嘆の声を上げていた。

▼上から2番目の「mme-mmp001」の負荷が高くなり、3番目の「mme-mmp001」が自動的に起動したことを示すデモ20130227_nec004.jpg

ネットワークインフラ系では、EPCを仮想化した「vEPC」のデモが目を引いた。EPCの機能をそれぞれ専用の装置を使うのではなく、共通のハードウエアの上で仮想化環境を作ることで実装するというもの。必要に応じてキャパシティを増強するといった柔軟な運用が可能になる。デモでは、1Uのサーバーをハードウエアとして、その上でvEPCを稼働。EPCの主要機能であるMME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-GW)/P-GW(PDN-GW)が仮想環境で動くことを示していた。ジェネレーターでネットワークに負荷をかけて「Overload」と認識されると、追加のMME(Mobility Management Entity)が自動的に起動し、数分で安定稼働に入って負荷分散を行う様子が示された。SDN(Software Defined Network)の分野でのNECの存在を改めて見せつけていた。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。