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基地局の災害対策などに向けて、ドコモはLTE移動基地局車導入、KDDIは基地局の長期停電対策

2013.03.29

Updated by Naohisa Iwamoto on March 29, 2013, 17:32 pm JST

NTTドコモとKDDIは2013年3月29日、災害時の通信確保などを目的とした携帯電話基地局の導入についてそれぞれ発表した。NTTドコモは、LTEサービスの「Xi」に対応した移動基地局車を導入。KDDIは「トライブリッド基地局」を100局、「基地局バッテリー24時間化」を2000局、設置完了したと発表した。

ドコモの発表は、地震や大雨などの自然災害発生時や集客イベント時などでの通信確保を目的とした、LTEサービス「Xi」対応の移動基地局車を導入するというもの。3月31日に1台を導入し、今後2013年夏までに全国で30台を導入する計画だ。まずは下り最大75Mbpsのサービスに対応し、災害時やイベント時にも高速通信サービスを提供できるようにする。一部車両では今後下り112.5Mbpsのサービスにも対応する計画である。

KDDIの発表は、東日本大震災を踏まえた災害対策の一環として、推進してきたau基地局の長期停電対策の施策。1つは「トライブリッド基地局」を100局、設置したこと。トライブリッド基地局とは、電力会社から供給される商用電源に加え、太陽光発電と蓄電池の「3つの電力」を効率的に活用できるようにした基地局。再生エネルギーの活用により平常時から省電力化が期待できるほか、災害時にもより長時間のサービス提供を可能にする。もう1つは、「基地局バッテリーの24時間化」を2000局で完了したこと。これは、停電時のバックアップ電力として十分な時間を確保することで、自治体や駅などの主要拠点における重要通信の確保に備える。

【報道発表資料】
docomo LTE 「Xi」に対応した移動基地局車を導入(NTTドコモ)
災害に備えたau基地局の長期停電対策について(KDDI)

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。