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カナダにはノマドが湧いている

2013.04.12

Updated by Mayumi Tanimoto on April 12, 2013, 11:29 am UTC

今週はカナダのオタワにおります。

4月だというのに夜はマイナス3度という極寒の地に来てしまいました。川には氷が浮かび、道には雪が残っています。私は学生の頃はニューヨーク州の片田舎(マンハッタンではなくナイアガラに近い方)に住んでおりましたので、「ああ、4月でもこんな風だったなあ」となんとなく懐かしい気分になるのですが。

こんな風に寒いカナダですが、世界二位の面積があるにも関わらず人口はたったの3千400万人、人口密度は3.4人/km2です。日本の人口密度は337人/km2なので、どれだけ人がいないか、ということが良くわかりますね。土地が広い上、天然ガス(産出量世界3位)、石炭、原油、ダイヤモンド(産出量世界6位)、ウラン(世界シェア29.2%)など天然資源がわっさわっさと豊富ですので、この国は移民を受け入れております。

移民様いらっしゃい状態です。

移民様いらっしゃい状態なので、ここオタワにも移民して来た人が大勢います。しかし、移民してくるのは何も紛争している国や、月収1万円という国の人ばかりではございません。天然資源が豊富なこの国では、それらを「掘る人」「管理する人」「売って金に換える人」「変えた金をさらに増やす人」も大勢やってきます。エネルギー、IT、通信、金融のプロフェッショナルがやってくるのです。コンピューターないと掘れないし、お金が管理できませんので、IT屋さん重要です。大橋巨泉さんだけではなく、プログラマやネットワークエンジニアもわらわらと移動してくるというわけです。

そのようにカナダに移動してくるプロフェッショナルの皆さんでありますが、しかし、カナダにずっと留まっているというわけでもありません。もっと稼げる仕事があれば、オーストラリア、シンガポール、フランス、アメリカ、ニュージーランドなど、生活しやすくて英語が通じやすい土地というのをグルグル回っています。引っ越しする感覚が隣の県に行く感覚でして、ものすごくライトです。移民とか国を捨てるとかという悲壮感は一切ありません。

道を歩くと「あら、あたしも移民して来たのよね。でも市民権とるのうざいし、そろそろ移動しようかと思ってんのよ」という人に当たります。道に落ちているお犬様の排泄物よりも遭遇する頻度が高いという感じでありましょう。

ちなみに、この様な人々は最近流行のノマドという奴なわけですが(注:スキルがあってどこでも働ける稼げるノマドの皆様。実は無職とか下請けの偽装ノマドではない)、カナダやオーストラリアやニュージーランドには、こういうライトな感覚で国境越えて引っ越しする人々が、戦前からおります。別に通信やらITやらが発達したからでて来たというわけではなく、昔からいるのです。

ですから、日本で、「国境を越えるノマド!」「ハイパーワーカーにならないと生き残れない!」などとパニックになっている方がいる様ですが、そんな働き方は何十年も前からあるわけで、まあ、そう大げさに騒ぐものではないということです。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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