王子様がお生まれになりましたので、たまにはイギリスらしく王室ネタでも書いてみようかと思います。
ちなみに、今回日本では選挙特番で池上さんが某宗教団体に突っ込んだけどいいのかとか、選挙違反がどうとか、汚染水漏れまくりじゃないの?よりも、数千キロ離れたこの島国の王子様がお生まれになったニュースが大人気の様で、テレビでは「イギリスでは大騒ぎです!」という報道っぷりらしいですが、現地ではどうかというと、いつものごとく盛り下がっています。
王室よりも夏休みの予定とか、自分の首は平気かどうか、今週の宝くじは当たるかどうか、を気にしているわけですよ。だって宝くじの方が数万倍大事ですから。(ワタクシ?もちろん毎週買っていますよ。)
そもそも、一般のイギリス人は王室をどう思っているかというと、基本的にはクールな関係というか、「まあ、ないよりはいいんじゃないの?一応イギリスっぽいし」という感じです。
このツイートのチャートがその「クールな関係」を表していますね。
国民の休日が増える=王室万歳
国民の休日が増えない=どうでもいい
NEWS OUTLETS: trying to gauge how enthused the British public are about the royal baby? Use this handy flow diagram. pic.twitter.com/d7T3YpyF5t
— Angry Flat Cap (@angryflatcap) July 22, 2013
それじゃあ、あのニュースが流れるたびにバッキンガム宮殿の前に集っている人々は何なのか?と思う方がいるかもしれないんですが、あれね相当数がガイジンです。今夏休みですので、世界各国からガイジンが来てるんです。
町中に王室グッズが売ってるじゃないか?あ、あれは観光客向けで住宅地とかにいくと全然売ってません。浅草で売ってるキラキラの芸者のノレンとか、ニンジャの衣装と同じです。
そもそも、女王様とかダイアナさんの顔がデカデカと印刷されたバッグなんかもって会社に現れたら「あいつ何者??」と超人気者になること間違いありません。
日本の会社にニンジャの格好でいく様なものです。ニンジャで現れたらそれは人気者になりますね。
ちなみに王室マニアのガイジンで圧倒的な数をほこるのが、イギリスより金があるカナダやアメリカの人々であります。イギリス人は俺が作ってやった国と思っているので、自分より金があると思っているのかかなり癪に障ると思っていますが、一応イギリスの従兄弟とか呼んでおりますね。
なぜかこの北米の人々は、先祖が王様とか貴族とかを捨てたというのに、王室とか、貴族とか、城とか、古いとか、騎士とか、そういうものが大好きで、ウイリアム王子&ケイト嬢の結婚式の時は、わざわざイギリスまでやって来たりしておりました。凄い人は宮殿の前で一週間ぐらい野宿です。イギリスのテレビは野宿組を「こんな人々がいます!なんということでしょうか!!」と珍獣を中継するノリで報道していました。
ニューヨークではイギリスの貴婦人のコスプレをしたご婦人方が、どっかのバーに集って、結婚式の一挙一動を凝視するというイベントまで開催されていました。凄いですね。これ日本の旧植民地で現地の人が平安貴族の格好して皇室の結婚式とか行事をテレビで凝視するようなものですね。
現地民(ワタクシも含みます)スペインやフランスに遊びに行ってしまったというのに、北米の人々はなんと忠誠心が厚いんでしょうか。いっそ大統領制度はやめちゃったらどうでしょうかね。
ちなみに王室報道で盛り上がる日本はどうみられているかというと、「外貨を落としてくれてありがとう」(=鴨ネギ)という感じです。
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登録はこちらNTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。