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エリクソンが東京でグローバルイベント、都市やクラウドとモバイルの関係など多彩な議論が展開

2013.11.05

Updated by Naohisa Iwamoto on November 5, 2013, 20:27 pm UTC

スウェーデンのエリクソンは、2013年10月30日~11月1日に東京で「エリクソン・ビジネス・イノベーション・フォーラム 2013」を開催した。3日にわたり、都市化やネットワーク社会の進展に果たすクラウドとモバイルの役割など、多彩な議論が繰り広げられた。

「エリクソン・ビジネス・イノベーション・フォーラム」は、エリクソンがジャーナリストやアナリストを対象に開催するグローバルなイベントで、今年が5回目。これまで、スウェーデン・ストックホルム、米国・シリコンバレー、中国・上海、ブラジル・サンパウロと世界各地で開催され、2013年の第5回は東京での開催となった。世界34カ国から100人を超すジャーナリストやアナリストが集まった景観は、東京にいることを忘れさせられるほど。エリクソンのトップマネジメントがプレゼンテーションを交えながら司会を務め、内外のスピーカーのプレゼンテーションとディスカッションが展開された。

▼ICT成長戦略を説明する総務省の渡辺克也氏と、世界各国から集まったジャーナリスト、アナリスト20131105_ericsson001.jpg

ICTによる都市化の課題解決についてディスカッションした「GET ICT」のセッションでは、総務省 大臣官房審議官 情報流通行政局担当の渡辺克也氏が登壇。「今の世界は都市人口が50%だが、2050年には70%になる。日本は都市化が最も進んだ国であり、クラウド、モバイル、ビッグデータなどのICTを活用し、都市化の諸問題を解決できれば日本が世界の範になれる」とビジョンを説明した。社会保障費削減につながるヘルスケア分野、センサーやモバイルを活用する資源・エネルギーの管理、企業や自治体などに偏在している地理情報のオープン化による新市場の創出など、ICTによる課題解決の方向性を示唆。ICTを活用した新しい都市の成功モデルを、トライアルを通じて地道に作り上げることの重要性を説いた。

ICTの将来展望をディスカッションした「GET TECHNOLOGY」のセッションには、ソニー 執行役EVPの根本章二氏が登壇し、ソニーが描く将来の社会像を解説した。根本氏は「東京でオリンピックが開催される2020年に、ユーザーがICTに求める価値がどのように変化しているか。1980年代にはコンテンツに、2000年代以降はコミュニケーションに価値の中心があった。2020年には安心で健康な生活をICTが提供する世界が来る」と語る。ソニーはコンシューマ、プロフェッショナルの双方でユーザーとの接点があり、双方からセキュアでエコでありながらエンターテインメント性のある社会インフラを創るという。その中で「ネットワークは巨大なデータを扱うことになる。ソニーでは2020年までに20%の家庭が20Gbpsのネットワークにつながる"トリプル20コンセプト"を掲げている。20Gbpsの高速ネットワークは有線で、日本では10年で1000倍にもなると予測されるワイヤレスネットワークのトラフィックをオフロード(参考情報)する役目も担う」とネットワークの技術革新の必要性にも言及した。

▼クラウドを"スライス"して機能・性能を提供していくという考え方を説明20131105_ericsson002.jpg

エリクソン・グループ上席副社長兼CTOのウルフ・エバルドソン氏は、「今後、都市に人口やトラフィックが集中する。持続可能な都市をICTでどうやって作るかが課題」と語る。今後、ネットワークが様々なデバイスを接続するようになる。そのときに、スループットや遅延、各種のサービスといったネットワークの性能や機能が、電力や水道、ガス、自動車など都市のインフラを支える業界でどのように必要になるかを考える必要があるという。「今後のクラウド化したモバイルネットワークでは、ネットワークをスライスして利用するという観点が必要。クラウドが各業界やデバイスが要求する機能や性能を資産として備え、これを業界ごとデバイスごとに"スライス"して必要な機能や性能を利用する形態だ」(エバルドソン氏)。エリクソンがネットワークとクラウドが共存する技術的なビジョンを提供し、「クラウド化とモビリティにより新しい機会を企業に与える」と説明した。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。