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テレフォニカ、チェコ子会社を処分 - 債務削減を加速

2013.11.06

Updated by WirelessWire News編集部 on November 6, 2013, 12:09 pm JST

スペインのテレフォニカ(Telefonica)は現地時間6日、同社のチェコ子会社株式の約66%を、PPFグループ(PPF Group)という現地の投資会社に24億7000万ユーロ(約34億ドル)で売却すると発表した。

Reutersによると、債務削減を目指すテレフォニカは今年に入って、「O2」ブランドのアイルランド事業を10億ドルで売却するなど、複数の資産売却を行ってきている。同社の債務額は今年7月の時点で498億ドルとなっており、同社は今年中にこれを470億ドル以下にすることを目指しているという。

Bloombergによると、PPFはピーター・ケルナー(Petr Kellner)氏というチェコでいちばんの大富豪(個人資産総額約112億ドル)が運営する投資会社。テレフォニカのチェコ子会社Telefonica Czechは、同国最大の通信事業者だが、ボーダフォン(Vodafone Group)やドイツテレコム(Deutsche Telekom)の現地子会社との競争が激化するなかで、2009年以来売上減少が続いているという。

欧州ではこれまで、多数の小規模な携帯通信事業者が乱立する状況が続いてきており、その影響でLTE網など高速データ通信網の普及に遅れが生じている。また、テレフォニカのような大手携帯通信事業者のなかにも、多額の債務を抱えて、ネットワークの強化に向けた十分な投資ができていない企業もある。そのため、今後も携帯通信事業者の買収や子会社の売却など、業界再編の動きがさらに進むと見られ、また米AT&Tやメキシコのアメリカ・モビル(America Movil)など外国勢による事業者買収の可能性も高まっていると、この話題に触れたNYTimesでは指摘している。

【参照情報】
Telefonica sells Czech business to focus on Italy, Brazil - Reuters
Kellner's PPF to Buy Telefonica Czech Stake for $3.4 Billion - Bloomberg
Telefonica and Vivendi Deals Underscore European Trend - NYTimes

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