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米FCC委員長、固定電話網の「全面IP化推進」を表明 - 気になるユニバーサル・サービスの行方

2013.11.21

Updated by WirelessWire News編集部 on November 21, 2013, 15:17 pm JST

米連邦通信委員会(Federal Communications Commission:以下、FCC)のトム・ウィーラー(Tom Wheeler)委員長が、固定電話網の全面的なIP化を推進していく考えを明らかにした。現地時間19日付のFCC公式ブログ記事のなかで、ウィーラー氏は固定電話網の全面IP化を「第4のネットワーク革命(Fourth Network Revolution)」と呼び、FCCが今後この移行に関連する法律の改正や政策の転換、技術上の問題の解決などをもたらす計画を承認することを期待している、などと記している。

従来のアナログ回線からインターネット・ベースのデジタル回線への移行については、AT&Tやベライゾン(Verizon)といった大手通信事業者が以前から要求していたもので、たとえばAT&Tは5年前から、固定電話サービスの提供を命じた規則を撤廃し、IP電話サービスへの全面切り替えを認めることをFCCに求めてきている。またベライゾンも、2012年のハリケーン・サンディで大きな被害を受けた一部地域について、固定電話網の復旧にコストがかかりすぎるとして、携帯通信サービスへの全面的な移行を認めるよう働きかけを続けてきていた。

ただし、固定電話網のIP化に伴い、どの地域でも画一的な電話サービスを提供するという通信事業者の義務(ユニバーサル・サービス提供義務)が取り払われるとする見方もあり、一部の消費者や市民団体の間からは実際にこうした懸念の声も上がっているという。

この話題を取り上げたNYTimesでは、以前からIP化への移行を求めてきている消費者団体のPublic Knowledgeが、「(移行は)AT&Tや他の通信キャリアだけでなく、あらゆる米国人の暮らしに影響を与えるものとの考えをFCCが示した点は重要」と一定の評価を与えつつ、FCCに対して「ユニバーサル・サービスの提供を担保してきた政策や原則が、21世紀の通信ネットワークにも適用されるよう確実を期す」ことを求めているとしている。

またGigaOMでは、アナログ回線が2011年なかばの時点でまだ1億1200回線も使われているとするFCCのデータを引用しながら、IP通信への移行は理にかなったものであり、維持にコストがかかるアナログ回線の運用から手を引きたい通信事業者側の事情も理解できるとした上で、移行に伴うマイナスの影響をいかに少なくしていくかという点が重要になる、と述べている。

なお、ハリケーン・サンディの被災地の一部では、ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)が費用対効果の低いアナログ回線の再敷設に難色を示し、また代替手段として提供された「Voice Link」というサービスではファクス(の送受信)やセキュリティシステム、心臓モニター(心拍計)のデータ送信、クレジットカード決済などができないとして問題化していたことが報じられていた。

【参照情報】
F.C.C. Chairman Calls for Transforming the Technology Used by Phone Systems -
The IP Transition: What is it and what the debate is about - GigaOM
The IP Transition: Starting Now - FCC

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