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メッセンジャーアプリ「Viber」とNokiaの提携

2013.12.17

Updated by Hitoshi Sato on December 17, 2013, 10:05 am UTC

メッセンジャーアプリ「Viber」がNokiaのフィーチャーフォンAshaシリーズの「Asha 308」「Asha 310」「Asha 311」にプレインストールされて出荷されると2013年11月に報じられている。

▼Nokia Asha 310
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(出典:Nokia)

メッセンジャーアプリ「Viber」は日本ではあまり馴染みがないが、全世界で2億以上のユーザーがいる。「LINE」のようなスタンプやゲームといった付加価値サービスはないものの、シンプルなメッセンジャーアプリとして各国の大人には人気が高い。

メッセンジャーアプリは「LINE」や「WhatsApp」もNokiaや他の携帯電話メーカーと提携してプレインストールして出荷している。日本の携帯電話市場やスマートフォン市場では、出荷時に多くのアプリがインストールされている。中には削除できないものもあり、それが嫌でストレスになっているユーザーも多いだろう。しかし海外の携帯電話やスマートフォンでは最低限のアプリやコンテンツしかプレインストールされていない。そのような中に「Viber」にせよ「WhatsApp」にせよ「LINE」にせよメッセンジャーアプリがプレインストールされていることはユーザーにとっては最初から利用できる貴重なアプリであることが多い。

特にフィーチャーフォンの場合はスマートフォンのようにアプリが充実している訳ではない。またGoogleなどが提供するアプリストアのようなものもほとんどないため、このようなメッセンジャーアプリを入手することが容易ではないからプレインストールされていることは重要である。

まだまだフィーチャーフォンはNokia

「Viber」にせよ「WhatsApp」にせよ、Nokiaのフィーチャーフォンにプレインストールされていることが重要である。Nokiaの携帯電話部門は2013年9月にマイクロソフトが買収を発表した。Nokiaはスマートフォンに乗り遅れたと言われているが、出荷台数を見ると、2012年にはサムスンに抜かれたが、それまでは10年以上毎年1位であった。現在でも毎年3億台の新製品を世界中で出荷している。Nokiaから出荷される新機種の多くはフィーチャーフォンである。Nokiaのフィーチャーフォンにプレインストールされることによってユーザーの拡大にもつながるだろう。

▼世界の携帯電話メーカー別出荷台数とシェア(2009年~2012年)
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(ガートナー発表資料を元に筆者作成 )

一部の地域ではスマートフォンは高いからフィーチャーフォンを購入するという人もいるだろうが、現在では地場メーカーからも多くの安いスマートフォンが登場しているし、中古品でも大量に安いスマートフォンが流通している。それら安価なスマートフォンはNokiaのAshaシリーズを新品で購入するよりも遥かに安く入手できることが多い。さらにスマートフォンでなく「フィーチャーフォン」を利用している人、新規で購入する人はそれほどITリテラシーが高くないか、アプリなどに興味関心がないことが多い。それでも「家族や周囲の友人がメッセンジャーアプリを使い始めたから、自分も使ってみたいな」というフィーチャーフォンのユーザーは多いのではないだろうか。そのような顧客をどうやって取りこんでいくかもメッセンジャーアプリ側にとっては今後も重要な課題である。

【参照情報】
Viber joins WhatsApp on Nokia Asha range

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。