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ディッシュでもT-モバイル買収に向けた動き - スプリントとの新たな争奪戦の可能性浮上(Reuters報道)

2013.12.20

Updated by WirelessWire News編集部 on December 20, 2013, 10:44 am JST

DISH Network
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米衛星テレビ大手のディッシュ・ネットワーク(Dish Network:以下、ディッシュ)が、来年にも米携帯通信市場4位のT-モバイル(T-Mobile USA)に買収提案を行うことを検討しているとする関係者の話をReutersが米国時間19日に報じた。T-モバイルについては、先ごろソフトバンク傘下の米スプリント(Sprint)による買収の可能性も報じられており、両社の間で新たな企業争奪戦が勃発する可能性が浮上しているという。

Reutersによると、ディッシュではT-モバイルの買収に名乗りを上げるかどうかを検討中で、具体的な動きに出るかどうかはまだ未確定だという。ただし、スプリントがT-モバイル買収に動いた場合、ディッシュでは黙って見過ごすつもりはないとする関係者の話も記されている。

携帯通信市場への参入を目指すディッシュは、過去にもT-モバイルの親会社であるドイツテレコム(Deutsche Telekom、T-モバイル株式の67%を保有)に、T-モバイル売却に関する交渉を持ちかけていたことが報じられていた。ただし、同社はその後、ソフトバンクに対抗する形でスプリントの買収提案を行い、またそれとほぼ並行する形でスプリントが買収を目指していたクリアワイヤへも買収提案を行っていたが、結局いずれも失敗に終わっていた。

いっぽう先週には、スプリントがT-モバイル買収に向けた準備を進めており、来年前半に提案を行う可能性があるとする話がWSJで報じられていた。スプリントは現在、同買収が独禁法違反にあたらないかなどの調査を進めているとされている。

2011年に米携帯通信市場2位のAT&TがT-モバイルの買収を進めようとした際には、市場の寡占と競争低下を懸念する米司法省などがこれに反対し、結局両社の合併計画は失敗に終わった。T-モバイルは、この合併破談でAT&Tから手に入れたAWS周波数帯やその後のメトロPCS買収を通じて取得したPCS帯などを利用しながら、当初の計画を上回るペースでLTE網の構築・展開を進めてきている。また消費者に対しては、長期(2年)契約の廃止、端末購入時の代金割引の廃止と割賦販売の導入、海外でのローミング料金廃止など、新たな施策を矢継ぎ早に投入。これを受けて、AT&TなどでもT-モバイルに追従する動きを見せていることから、規制当局関係者の間では、同社が市場競争激化の刺激になっていることを歓迎する声が多く上がっているという。

米規制当局は、AT&TーT-モバイルの合併に反対した際、現状の大手4社態勢が望ましいとする見方を示していた。また今年秋にFCC(連邦通信委員会)の委員長に就任したトム・ウィーラー(Tom Wheeler)氏も12月はじめに行った講演の中で、同様の考えを述べていた。このことから、Reutersでは、ディッシュによるT-モバイルの買収のほうが、スプリントによる買収よりも規制当局の承認を得やすいのではないかと指摘。同時に、ディッシュは携帯通信サービスに利用できる周波数帯を保有しているものの、サービス提供に必要とされるネットワークやインフラを持っていないことから、スプリントによる買収に比べてシナジー効果が低いのではないかなどとも記している。

【参照情報】
Exclusive: Dish eyes 2014 bid for T-Mobile - sources - Reuters
Dish also interested in buying T-Mobile next year, according to Reuters - The Verge
Report: After failed Sprint bid, DISH might make an offer for T-Mobile - GigaOM

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