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盗難携帯の不正使用に免責上限は導入されないのだろうか?

2014.02.27

Updated by Mayumi Tanimoto on February 27, 2014, 07:43 am JST

ネットではバルセロナでiPhone盗難にあう→悪用され99万を支払わねばならなくなった件が話題になっております。

このカワイソウな方は、バルセロナに渡航した際に現地で携帯をすられてしまい、盗難届けを出す前に音声通話を使われてしまい、なんと99万円を請求されたとのこと。キャリアは全額を支払う様にと言っている様ですが、同じ様な事件は欧州でも大問題になっています。

日本に比べると、特にiPhoneなどのスマフォは高級品、観光地が大量にあるので犯罪者が山盛り、さらに、スリや窃盗の件数は日本より遥かに多いという国が少なくありませんので。

イギリス人も全く同じ被害にあっています。例えばバルセロナに遊びに行った23歳のイギリス人女性は、盗難にあった携帯電話で国際電話をかけられてしまい、なんと£21,000(約350万円)を請求されました!!

バルセロナですりにあって、「ない!」と気がついたのがイギリスで空港についた時だったので、移動中に携帯をバンバン使われてしまっていた様です。この方の場合、通話料金がこんなに高額だったのは、どうも組織的犯罪者が意図的にプレミアム料金のグループコールを使ったのが理由の様です。

この女性が契約していたVodafoneは、当初、盗難通報するまでの間の料金は女性に支払い義務があるため、全額支払うようにといっていたのですが、何度かやり取りの後、料金を£1,500(約25万円)に値切ってくれ、最終的には今回は犯罪の被害なので払わなくていいです、ということになったそうです。

イギリスと欧州大陸ではSIMフリーの携帯入手も容易なので、海外旅行に行く人や出張に行く人は、現地でプリペイドのSIMを入れ直したり、海外渡航用のプリペイドSIMを使ったりすることが少なくありません。その場合は、先に払った分だけ使われるので危険性はうんと下がるのですが、月極でキャリアと契約している人も少なくなくありません。ローミングも可能だし、短期間だと面倒なのでSIMを入れ替えないという場合もあります。

キャリアによっては、国外でデータ通信など使う場合の一日の上限金額設定が可能です。それを越えた場合は、ネットか、オペレーター経由(通話料無料)の電話から追加入金しないと使えないという 仕組みです。その場合は携帯が盗まれても高額請求が来るということはないわけです。

また、イギリスでは携帯電話に保険をかけるのが珍しくなく、デバイスだけではなく盗難時に第三者によって使われた場合の費用の補填が含まれているものもあります。比較サイトでも携帯電話保険情報が大人気です。クレジットカードや銀行口座に自動的に付帯されてることもあります。それだけ盗難が多いというわけです。(だからお財布携帯なんて怖くて使えなかったわけですけど)

しかし、海外で携帯を盗まれて使われてしまうユーザーがあまりにも多いため、昨年末、イギリス政府はEE、Three、Virgin Media、Vodafoneの4社と協議し、携帯電話が盗難にあい、不正使用された場合の費用の免責上限を£50 (約8,500円)とすることに合意しました。クレジットカードやデビッッドカードが不正使用されたり盗難にあった場合免責条項・責任軽減条項に似た様な仕組みになる予定で、今春導入を予定しています。

日本ではSIMフリー携帯を持っている人が多くはないので、こういう免責の仕組みの導入が検討されると良いですね。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。

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