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インドネシアで数々の賞を総なめしていくJKT48

2014.02.19

Updated by Hitoshi Sato on February 19, 2014, 10:46 am JST

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(ジャカルタ郊外にあるJKT48を起用したポカリスェットのビルボード)

前回のレポートでは、AKB48の姉妹グループでインドネシアのジャカルタを拠点に活躍するJKT48についてお伝えした。そのJKT48はインドネシアで2011年末から活動を開始し、まだ2年程度であるが、現在インドネシアでは飛ぶ鳥を落とす勢いである。ここ最近のインドネシアの音楽業界でもここまで活躍しているグループはそういない。インドネシアで様々な賞を受賞している。以下にJKT48が受賞した賞の一例を列挙する。

(1)Yahoo! OMG Awards 2012 「ベストグループ賞」受賞(2012年11月24日)
「Yahoo!インドネシア」が主催し、オンライン投票に基づいて受賞が決定する。JKT48は「ベストグループ賞」カテゴリーにおいて、先行していた現地のアイドルグループCherrybelleやSuper Juniorをおさえ、同カテゴリー内投票数の67%を占め、同賞を受賞した。

(2)HAI Magazine Award 2012 「4冠達成」(2012年12月29日)
インドネシアの人気エンタテイメント雑誌「HAI Magazine」が主催しており、JKT48は「The Best Fresh Meat」、「The Best Single Act」、「The Best Costume」、「The Best Single」部門にて全てトップとなり4冠を達成した。

(3)GLOBAL TV: 100% Ampuh Award 2012 「100% Ampuh Award」受賞(2013年1月16日)
「GLOBAL TV」(放送局)の看板音楽番組「100% Ampuh」が主催しており、JKT48は7 Icons、Blinks、Cherrybelle、Princessと共にノミネートされ、受賞した。

(4)RCTI:Dahsyatny Awards 2013 「新人賞」受賞(2013年1月21日)
インドネシア最大の放送局「RCTI」の看板音楽番組「Dahsyatny」が主催するアワードで、JKT48は新人賞カテゴリーでノミネートされ受賞した。

(5)Selebrita Awards 「年間最優秀新人賞」受賞(2013年4月23日)
番組の7周年を記念して放送された「Trans7」の音楽番組「Selebration Selebrita」で年間最優秀賞新人賞を受賞した。

(6)Indonesia Kids Choice Awards 2013 「ボーイバンド/ ガールバンド」部門賞受賞 (2013年6月14日)
6回目を迎える「Indonesia Kids Choice Awards 2013」で子供が選ぶ「2013年IKCA人気ボーイズバンド/ ガールズバンド」部門にノミネートされ、部門賞を受賞した。

(7)Dahyatnya Awards 2014 「3冠達成」(2014年1月21日)
ンドネシア最大の放送局「RCTI」の看板音楽番組「Dahsyatny」が主催するアワードで、JKT48は「曲部門(River)」、「グループ部門」、「ステージアクション部門」の3部門で受賞した。ファンからの投票で受賞が決まるアワード。2013年には同賞で「新人賞」を受賞した。

まさに快挙である。このようにJKT48のインドネシアでの活躍ぶりはまさに破竹の勢いである。以前は日系企業の広告に多く出演していたが、最近では通信事業者Indosatを始めとした現地企業の広告でも見かけるようになった。またTシャツなどの関連商品も人気である。インドネシアの楽天にはJKT48のオフィシャルショップがあり、ネットで様々な商品が購入できる。

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(JKT48劇場の入口。"Indonesia's most sophisticated show"と書かれている。)

最近では「恋するフォーチューンクッキー」(インドネシア語版)が大人気である。これは日本でもお馴染みの曲だが、インドネシアでは最初のダンスの箇所で「カメハメ波」とファンらが叫んでいる。現地のインドネシア人の子供らも真似して「カメハメ波」といいながら、同じポーズをして街で遊んでいる姿をよく見かける。「カメハメ波」は日本でも大人気のコミック「ドラゴンボール」に出てくるワンシーンである。日本のコミックもインドネシアでは大人気である。仲の良い友人同士やグループで同じようなユニフォームを着て、みんなで1つのダンスをしたりするのはインドネシア人に好まれる。

日本のAKB48からJKT48に移籍して活動しているメンバー(高城さん、仲川さん) も現地でインドネシア語を話して劇場公演やテレビで活躍しているため、現地のファンからの人気も非常に高い。インドネシアは平均年齢28.5歳と非常に若い人が多い国である。そして中間層も急激に増加している。これからも様々な商品やサービスの消費が期待される。

インドネシアの多くの若者が様々なポップカルチャーなどに多くのお金を使っている。お金が流れることは経済発展にとって重要である。インドネシア人の平均月給は約25,000円(ジャカルタ)でこれからも成長が期待されている。現在のインドネシアでそのような分野で積極的な消費活動があることは無視できない。これからはアイドルも日本よりもインドネシアのような若者が多い新興国市場の方が、将来性があるかもしれない。JKT48の更なる活躍に期待したい。

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(ジャカルタの町にある携帯電話店。右上と左下にあるIndosatの広告がJKT48、「恋するフォーチューンクッキー」の「カメハメ波」のポーズ)

【参考動画】
▼DahSyatnya Awards 2014 .

▼「恋するフォーチューンクッキー」(インドネシア語) は大人気である。最初のダンスの箇所で「カメハメ波」とファンらが叫んでいるが、現地の子供らの多くも真似して「カメハメ波」といいながら、同じポーズをして街で遊んでいる。センターは日本から移籍した仲川さん。

(参照)
JKT48
楽天インドネシア「JKT48」オフィシャルショップ

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。