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東南アジア編(6)タイの通信事情

2014.02.27

Updated by Hitoshi Sato on February 27, 2014, 20:30 pm JST

今回は携帯電話を中心としたタイの通信状況を見ていきたい。

▼バンコクのあちこちで各通信事業者のビルボードを多くみかける。現在のイチオシはiPhone5である。
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まず簡単にタイの概要を見ておこう。
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(出典:外務省、CIAファクトブック、タイ統計局)

▼タイの労働者の平均月額賃金(単位ドル、従業員一人あたり)
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(出典:JETRO)

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▼タイの人口ピラミッド
典型的な中進国の人口ピラミッドである。そして2050年には現在の先進国が直面している高齢化問題をタイも経験することになることが予測されている。
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(出典:CIAファクトブック)

▼タイの2020年の人口ピラミッド(予測)
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▼タイの2050年の人口ピラミッド(予測)
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(出典:アメリカ統計局)

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タイの携帯電話事情

人口約6,600万のタイで携帯電話の加入者数は約9,000万で人口普及率は140%と高めである。固定電話の640万加入(世帯普及率30%)でコミュニケーションの中心は携帯電話である。今後、都会やオフィス以外で固定電話が大きく成長する見込みはない。今後も携帯電話がタイのコミュニケーションの中心になるであろう。そしてその携帯電話でも特にスマートフォンの急速な拡大がタイ市場の特徴である。首都バンコクではほとんどがスマートフォンを利用しており、従来型の携帯電話(フィーチャーフォン)を利用している人を見かけることが少なくなった。

その携帯電話であるが、主要通信事業者3社ともに85%以上のユーザーがプリペイドで利用している。プリペイドを利用しているユーザーのARPU(1か月に利用する金額)は2〜6ドル程度である。つまりバンコクでは多くの人がスマートフォンを利用しているが、彼らのほとんどがプリペイドで利用している。

現在、通信事業者では2011年以降に急速にネットワークが整備され普及しつつある3G対応のSIMカード販売(および端末とのセット販売)に非常に積極的で、あらゆるところでキャンペーンを行っている。2013年にはTrueがLTEを導入したが、ネットワークが完全に行き届いてないことからまだ利用者は10,000人もいない。

▼タイの通信状況(2013年9月)
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(出典:当局、ITU、各社の公開情報を元に作成)

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▼タイの携帯電話加入者の推移
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(公開情報を元に筆者作成)

▼タイの主要携帯電話事業者
タイの携帯電話事業者の概要
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(公開情報を元に筆者作成)

▼携帯電話事業者のマーケットシェアの推移
AISが若干リードしているが、3社が拮抗している。そのため競争も非常に激しい。
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(各種公開情報を元に作成)

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。