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KDDI、「キャリアアグリゲーション」を国内初提供、夏モデルスマホから150Mbpsで

2014.04.21

Updated by Naohisa Iwamoto on April 21, 2014, 18:22 pm UTC

KDDIは2014年4月21日、LTEの次世代型通信方式であるLTE-Advancedの主要技術である「キャリアアグリゲーション」を使ったサービスを提供すると発表した。10MHz帯と10MHz帯を束ねて、下り最大150Mbpsの伝送速度を実現する。今後発表する2014年夏モデルのスマートフォンから対応を始めるという。

▼キャリアアグリゲーションの対応を発表するKDDI 技術統括本部長 執行役員常務の内田義昭氏20140421_kddi001.jpg

キャリアアグリゲーション(CA)とは、複数の周波数帯の帯域を束ねて同時に使用することで、通信速度や通信品質を向上させる機能のこと。送受信双方で多アンテナ化して高速化する「MIMO高度化」や、少セル化を実現するための制御技術である「eICIC」「CoMP」などと並んで、LTE-Advancedを支える主要技術の1つに上げられる。他のキャリアが先行して導入することがなければ、国内で初めてLTE-Advancedと呼べる通信サービスが提供されることになる。

具体的には、KDDIが2014年3月末までに実人口カバー率で99%を達成したとする800MHz帯域のLTEのうち10MHzと、2014年3月末に実人口カバー率で85%を達成した2.1GHz帯のLTEのうち10MHzを同時に利用して広帯域化を実現する。それぞれの帯域で下り最大75Mbpsの通信速度が得られるため、キャリアアグリゲーションによって150Mbpsの高速サービスが提供できる。これまでにもKDDIは2.1GHz帯で20MHzを連続して利用した150Mbpsのサービスを提供しているが、トラフィックの少ない郊外などを中心に2014年3月末時点で700局の基地局が対応しているだけだった。

▼800MHz帯域と2.1GHz帯域のそれぞれの下り最大75Mbpsの10MHz帯域を組み合わせて、下り最大150Mbpsのサービスを提供する20140421_kddi002.jpg

キャリアアグリゲーションの開始によって、150Mbpsの高速データ通信を利用できる地域が全国各地に拡大する。キャリアアグリゲーション対応端末が発売される時点で、150Mbps対応基地局は約2500局になり、さらに1年後の2015年3月末には2万局を超える150Mbps対応の基地局を設置する計画である。

複数の周波数帯を同時に使うキャリアアグリゲーションの導入により、片方の帯域の通信状況が悪くなっても残りの帯域でカバーして安定した通信を確保する周波数ダイバーシティ効果が得られる。また、双方の帯域で混雑具合を確認しながらダイナミックに利用する周波数を割り当てられることによる「統計多重効果」も期待できる。キャリアアグリゲーション対応端末の割り当てを柔軟に変化させることで、従来型の端末の通信環境の改善にもつながる。

キャリアアグリゲーションに対応するのは、夏モデルの「スマートフォン」。機種数などは、夏モデルの発表会で明らかにするようだ。フィールドでのテストは始まっており、実際の通信速度は「けっこう出ています」(KDDI)とのこと。本来の4G世代であるLTE-Advancedの日本初導入で、今後のユーザーエクスペリエンスや事業者間の力関係にどのような変化が現れるか、注目したい。

【報道発表資料】
日本初!「キャリアアグリゲーション」の導入について

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。