WirelessWire News Technology to implement the future

by Category

目立たない自転車盗難対策機器

2014.04.14

Updated by Kenji Nobukuni on April 14, 2014, 10:00 am JST

201404141000-1.jpg

Shyspyは、自転車用の活動量計(トラッカー)で、どこをどう走ったか記録してくれるとともに、盗難に遭った場合には場所を知らせてくれる。自転車泥棒には分かりにくいように、形状と装着場所が工夫されている。サドルを支える管の中に忍ばせるのだ。

5年前にイランから亡命してイタリアのミラノにたどり着き、デザイン工学を学んだ若者が、2年前にCyclingboom社を設立し、WRDシステムズ社と提携して開発したのがShyspyだ。盗難を警戒するがゆえに自転車をあきらめる人が多いことを憂いたのがきっかけだという。誰かが自転車を動かせばアラートをアプリに飛ばすことができるし、所在を常に確かめることができる。GSMネットワークを介してSMSでスマートフォンなどと通信する。充電のため5週間に一度程度は取り外さなければならないが、低消費電力化の工夫はされていて、パワーダウンモードでは数か月もつ。

位置情報を割り出すのには、GSMネットワークの基地局情報を使う。GPSの方が当然ながら高精度だが電力消費量が大きい。GSMネットワークの位置情報では都市部でも100メートル単位の精度になってしまうし、地方では数キロメートルと粗くなってしまう。しかし、自転車の盗難は主に都会で発生する。実はこの製品、3月20日までのKickstarterでの資金調達に失敗しているが、WRD Systems社は開発を続行し、クラウドファウンディングでの支援を表明した人々には同じ金額で販売すると表明している。

【参照情報】
SHYSPY | GPS/GSM Tracker For Bicycles(Kickstarterのページ)
Kickstarter上での開発者のコメント
SHYSPY Tracking device
After Leaving Iran Five Years Ago, This Designer Developed A Genius Way To Prevent Bike Thefts

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来