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うちのお兄ちゃんはExcel方眼紙みたいなマニアックなチャレンジ精神がサビ残を増やしていることに気がついていない

2014.04.05

Updated by Mayumi Tanimoto on April 5, 2014, 02:35 am UTC

相変わらずExcel方眼紙ネタです。ワタクシはExcel方眼紙を憎んでおります。一秒でも早く地球から消滅して頂きたいと思っております。グローバルかつプログレッシブかつフューチャーマインドでライフハックでインターネッツ命なWirelesswire読者の皆様に対しても、サビ残とガイジン技術者を激怒させる元凶であり、日本大帝国没落の陰謀の手先であると思われるExcel方眼紙の害悪を散々布教してきました。

かつて日本の某誌ではエクセルコンテストなるオソロシキ大会を開催しておりました。その某誌がこんな記事を掲載しております。

「Excel方眼紙」の何が悪い?

<引用>
Excel方眼紙を活用する日本人は、欧米人にとって奇妙な存在に見えるようです。勉強熱心な日本人は、Excelの諸機能を隅から隅まで活用し、自分なりの工夫を加えて使い倒します。その結果、開発者も想定しないワークシートが出来上がってしまうことがあるようです。
<引用終わり>

<引用>
エクセルコンテストに登場した奇妙な作品を見せられたら、Excel方眼紙を批判しているエンジニアの方々は、ますます激怒するかもしれません。もちろん、紹介したような作品は「遊び」の領域であり、実務で使うことを想定したものではありません。「Excelの機能の中で、どこまでやれるのか」という、マニアックなチャレンジ精神の賜物といえます。業務で使うワークシートにあのような仕掛けは無意味ですし、生産性を下げるもの以外の何物でもありません。ただ、「面白いものを作ろう」「不可能を可能にしよう」という豊かな創造性には頭が下がります。そのような心意気と技術力があればこそ、業務で使うワークシートやアプリケーションの中にも、便利で実用的な機能を実装できるのではないでしょうか。

<引用終わり>

「Excel方眼紙を活用する日本人は、欧米人にとって奇妙な存在に見えるようです」

うん、「欧米人」という人々が地球上の何処に存在するのか、「あんたは欧米人」と言ったらアルバニア人とブルガリア人とドイツ人とアメリカ人に「ワシらの何処が同じやねん?お前指詰めろや!!!」フルボッコにされた上に、激怒したフランス人に口からフォアグラを押し込まれそうですが、激怒するのは「欧米人」だけじゃなくって、インドとかカンボジアとかベトナムとかエジプトとか南アフリカもですよ。

なんでか?

今やシステム開発も運用も多国籍プロジェクトが当たり前で、様々な国の人が絡んでるから、日本独自の工夫とか文書の作成とか無駄どころか、大迷惑なんですよ。だってエジプト人もカンボジア人もミャンマー人も日本式の文書なんて使ってませんから。カナダやアメリカやイギリスの書式は理解してますけど。英語圏式のトレーニング受けてますので。

ワタクシはね、「日本独自」のドキュメントのおかげで何度海外の人々をなだめたか、数えたら切りがないですよ。あの文書を直すのにどんだけ無駄な時間を使ったことか。作った人は直せないんですよ。英語がわかんないし、海外ではどういう文書を使っているか知らない。知ってると思い込んでいるから「こんなのダメだ」と言っても信じない。

文化背景も言語も宗教も時差も違う人達と、最も効率よく仕事するには、全員が理解できる書式ややり方のテンプレに沿ってサクサクと仕事を進めるのが一番効率がいいんです。付加価値を全く産まない創造性とかマニアックなチャレンジ精神とかいらないんですよ。しかし、日本のエンジニアとか管理者には物凄く頭が悪い人がかなりいて(学歴とか会社名は関係ない。皆さん例のコピペ騒動でおわかりになったでしょ?)、全く付加価値を産まない文書に物凄く職人技を投入した工夫をしてしまう。

残念ながら、色々な人々が理解できるテンプレの主流はアメリカやカナダやイギリスのです。あの人達頭がいいんですよ。最初にルールとかテンプレを作ってしまって、それに他の連中を従わせる。ルールを握ったら、そのルールを守らせるためのトレーニングなり資格なりを売りつける。自分らは仕事やりやすくなるし、さらに稼げる。ルールに従わない人間は除外。付加価値のない創造性や工夫は求めてない。やったら「お前はバカだ」と言われて終了です。「頑張ったね」とか言いません。冷血だから。物凄い効率主義なんです。で、そういうルールを握ってるのは日本じゃないんです。日本は完全に蚊帳の外でガラパゴスなんです。

日本のさらに頭が悪い人々は、わざわざ社内にしか通用しない略語を「開発」して使いまくって、中間に入る人間がオフショアのガイジンにそれを翻訳して説明して略語集まで作るはめになる。開発にも運用にも何の付加価値も産まない無駄な作業。

結局そういうのが積み重なってるから、日本は残業がやったら多くて、やり直しも多くて、無駄な会議が多くて、要するに無駄が多すぎんです。

だから日本のやり方を真似したいなんて開発者やPMはいない。無駄が多すぎるから。ギークは無駄が嫌いです。ゼロかイチか、イエスかノー、動くか動かないかです。どんなに努力したかアピールしても、無駄だったり動かなかったら却下。

いくらクールジャパンをやって表面的に素敵感のあるイメージを売り込んでも無駄です。特区作っても無駄です。賢い人間はもっと汎用性や付加価値があるやり方を学べて、もっと稼げる土地に行ってしまう。稼ぎたい人間が今さら日本語なんて勉強しないのと同じです。

つまり何が言いたいかというと、日本には頭の悪い人が多いということです。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。