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ドコモ、国内初のVoLTE対応6機種を含む夏モデル12機種のラインアップを発表、

2014.05.14

Updated by Naohisa Iwamoto on May 14, 2014, 19:40 pm UTC

NTTドコモは2014年5月14日、2014年夏モデルの12機種のラインアップを発表した。スマートフォンが6機種、タブレットが2機種、フィーチャーフォンが2機種、らくらくスマートフォンが1機種、発表済みのモバイルルーターが1機種で、全12機種のラインアップとなる。そのうち、スマートフォン4機種とタブレット2機種の6機種が、国内初となるLTEによる音声通話サービス「VoLTE」に対応する。また、新しいサービスとして雑誌読み放題の「dマガジン」などもアナウンスした。

発表会に登壇したNTTドコモの加藤薫社長は、「風薫る季節にドコモもよりよい製品を出していきたい」とし、「料金・チャネル」「デバイス」「サービス」「ネットワーク」の4つの柱でユーザーの満足度を最大にすると説明した。このうち、料金については4月に発表し、5月15日に受付を開始する新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」を改めて紹介。家族構成や継続期間などの条件によって最大1万円を割り引く「ファミリー特割」「プレミア特割」キャンペーンを実施することを明らかにした。

VoLTE対応に6機種が対応、6月にアップデートで

▼国内初となる「VoLTE」の導入を説明するNTTドコモの加藤薫社長20140514_docomo001.jpg

「デバイス」に相当するNTTドコモの夏モデルでは、スマートフォン4機種、タブレット2機種が、LTEの高速データ通信のインフラの上で音声通信を行う「VoLTE」(Voice over LTE)に対応する。「NTTドコモが国内で初めて6月下旬からVoLTEを提供する」(加藤社長)と先進性をアピールした。VoLTEのメリットとして加藤社長は、(1)従来よりも低域、高域ともに拡張した高品質な音声通話、(2)3Gよりも短時間で接続できるスピーディーな発着信、(3)通話とデータ通信を同時にスムーズに使える高速マルチアクセス、(4)高画質な映像でコミュニケーションが可能なビデオコール--の4つを挙げた。同時に「ネットワーク面ではVoLTEは3Gに対して周波数利用効率が3倍高く、VoLTEの採用で空いたリソースをデータ通信に利用できる」(加藤社長)という事業者側のメリットも説明した。

夏モデルでは、VoLTE対応に加えて、「電池の急速充電、非常用節電機能」の対応拡大と、アクセサリーや周辺機器を販売する「docomo select」の提供開始の3点をトピックとして掲げた。「急速充電2」はこれまで残り15%から1時間で50%程度までだった充電性能を、1時間で92%まで充電できるように改善した。また、非常時などで充電ができないような場合に備えて、残り15%から3日間待ち受けが可能な省電力設定の「非常用節電機能」も採用した。このほか、フルHDの4倍の画素数の4K動画の撮影ができる機種の増加、動画コンテンツの高速ダウンロードが可能になる新しいコーデック「H.265」の採用なども夏モデルの特徴として紹介した。

▼2014年夏モデルの12機種20140514_docomo002.jpg

ドコモスマートフォンは6機種、すべてが"オススメ"

●Xperia Z2 SO-03F(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)
ソニーモバイルコミュニケーションズが2月のMobile World Congressで発表した、5.2インチ液晶を搭載するXperiaシリーズのフラッグシップモデルで、「国内ではドコモだけが提供する」(加藤社長)。高精細な4K動画が撮影できる2070万画素のカメラを搭載。動画の一部をなめらかにスローモーション再生させられる「タイムシフトビデオ」や、撮影する画像にAR(仮想現実)の効果が付け加えられる「ARエフェクト」など、様々な効果で動画を一層楽しめる。音楽再生時などに周辺の騒音を約98%までカットできるデジタルノイズキャンセリング機能を搭載し、対応ヘッドフォンと併せて場所を問わずにクリアな音楽再生が可能。バーチャルサラウンド機能を備えたフロントステレオスピーカー、色域が広がったトリルミナスディスプレイなど映像と音へのこだわりはソニーならでは。夏モデルのドコモの新機能としては、VoLTE、急速充電2、非常用節電機能に対応する。バッテリーは3200mAh。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ/フルセグ、防水/防塵の各性能・機能を備える。

●GALAXY S5 SC-04F(サムスン電子製)
加藤社長が「GALAXYシリーズ初の防水対応スマートフォンで、ますます完璧なモデルになった」と評する、GALAXYシリーズのグローバルフラッグシップモデル。カメラは、0.3秒の高速オートフォーカスでシャッターチャンスを逃さないだけでなく、コントラストの高いシーンをリアルタイムで確認しながら撮影できる「リアルタイムHDR撮影」、自由に背景をぼかせる「フォーカス選択」など先進の機能を盛り込んだ。4K動画の撮影機能も備える。大容量のデータのダウンロード時に、LTEとWi-Fiを同時に利用して高速化を図る「ハイブリッドダウンロード」も採用。同時発売のウェアラブル端末「Gear2」「Gear Fit」などと連携し、GALAXY S5の状況を通知するなどの新しい利用法も提案する。夏モデルのドコモの新機能としては、VoLTE、急速充電2、非常用節電機能に対応する。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ、防水/防塵の各性能・機能を備える。

●AQUOS ZETA SH-04F(シャープ製)
省エネを進めた5.4インチの大画面IGZO液晶と3300mAhの大容量バッテリーで、平均的な使用状況なら3日間の利用が可能なロングライフスマートフォン。前面の面積の81%がディスプレイという狭額縁の「EDGEST」により、5.4インチの大画面でありながら持ちやすさを両立した。「新しく開発したバックライト(PureLED)により、特に赤がきれい」(加藤社長)という色再現力、バランスよく撮影できるように構図をアドバイスしてくれる「フレーミングアドバイザー」などで映像や写真を楽しめる。4K動画の撮影機能も備えるボディーを握ることで操作できる「グリップマジック」も進化し、通話中に机に置くと自動的に保留になるような機能も加わった。夏モデルのドコモの新機能としては、VoLTE、急速充電2、非常用節電機能に対応する。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ/フルセグ、赤外線通信、防水の各性能・機能を備える。

●ARROWS NX F-05F(富士通製)
「文字入力を徹底的に見直して、ARROWS NX専用に開発した。日本語の文字入力で、間違えても自動的に補正するのはスマートフォン初」(加藤社長)と、よく利用する文字入力の使い勝手を高めた。採用しているのはジャストシステムと富士通が共同開発した「Super ATOK ULTIAS」。前後の文脈から正しい変換候補を示すほか、メールならば「あいさつ」、地図ならば「地名」など利用しているアプリによって優先する表示候補を自動的に変える機能も備える。フルHDの5インチディスプレイには、1000カンデラと明るい「新WhiteMagic」を搭載し、「直射日光の下でもはっきり見える」(加藤社長)。LTE/3GとWi-Fiを同時接続できる「マルチコネクション」でストレスのないブラウジングも可能だ。3200mAhのバッテリー、2070万画素のカメラを搭載。夏モデルのドコモの新機能としては、VoLTE、急速充電2、非常用節電機能に対応する。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ/フルセグ、赤外線通信、防水の各性能・機能を備える。

▼VoLTEに対応するスマートフォン。左上がARROWS NX、左下がGALAXY S5、右上がAQUOS ZETA、中央と右下がXperia Z220140514_docomo003.jpg

●Xperia A2 SO-04F(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)
「Xperiaの上質なクオリティーを片手に収まるサイズにした」(加藤社長)と言うのが、Xperia A2。4.3インチと小ぶりなHDディスプレイにより、幅65mmのコンパクトなボディーを実現した。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ、防水/防塵といった標準的な機能を搭載し、「初めてスマートフォンを購入する人でも安心して使える」(加藤社長)ことを目指した。カメラは2070万画素で、シャッターを押した前後1秒ずつ61枚の写真を連写する「タイムシフト連写」、動画にも対応した「ARエフェクト」など遊び心のある撮影機能も満載。バッテリーは2300mAh。夏モデルのドコモの新機能では、非常用節電機能に対応する。ホワイト、ブラックのほか、ラベンダー、オレンジという独特のカラーバリエーションを用意する。

●Disney Mobile on docomo SH-05F(シャープ製)
加藤社長が、「テーマはディズニーの魔法の瞬間。スマートフォンを鏡に見立てて、その向こうにディズニーの世界が見える」と説明するDisney Mobileの新モデル。ミッキーマウスをはじめとした6つの物語の世界をスマートフォンの中に再現。端末を振ったり、音声認識することで、6つの物語のテーマが魔法のように切り替わる。3万以上のディズニーのコンテンツを無料で利用できるほか、購入者にはディズニーデザインの6種類のスマートフォンカバーから1種類をプレゼントする。ディスプレイは5インチのフルHDのIGZO、バッテリーは3000mAhで、電池を気にすることなく利用できる。カメラは1630万画素。夏モデルのドコモの新機能では、非常用節電機能に対応する。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ/フルセグ、防水の各性能・機能を備える。

2014年夏モデルでは、「イチオシ」や「ツートップ」などの戦略は採らない。いずれも特徴のある製品として「自分にあった機種を選んでもらえるラインアップを用意した。オススメは"全部です"」(加藤社長)という。

軽量タブレット2機種、フィーチャーフォンもラインアップ

主力のスマートフォンに加えて、5機種の新製品を発表した。タブレットは、7インチ、10インチの両クラスで世界最軽量。シニア向けのらくらくスマートフォンの最新機種や、根強い利用があるフィーチャーフォンにも新製品を2機種投入する。

●AQUOS PAD SH-06F(シャープ製)
加藤社長が「薄い、軽い、小さい」と紹介したのが、7インチクラスでは世界最軽量というAQUOS PAD SH-06F。233gと軽量で、狭額縁のEDGESTデザインで前面の81%がディスプレイというボディーデザインで、片手でも持ちやすい新書サイズを実現した。色鮮やかな画像を再現するバックライトLED「PureLED」を採用したIGZOディスプレイと、4200mAhの大容量バッテリーで、電池持ちの心配なくコンテンツを楽しめる。タブレットでありながら通話の機能を備え、スマートフォンスタイルでVoLTEの高品質な通話が利用できる。夏モデルのドコモの新機能としては、VoLTEに加えて、急速充電2に対応する。おサイフケータイ/NFC、ワンセグ/フルセグ、防水の各性能・機能を備える。

●Xperia Z2 Tablet SO-05F(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)
重さは439g、厚さは6.4mmと、10インチクラスとしては世界最軽量・最薄をうたうXperiaシリーズのタブレット最新作。フルHDを超えるWUXGA(1920×1200ドット)の解像度を持つ10.1インチのトリルミナスディスプレイ、バーチャルサラウンド機能に対応したステレオスピーカーの採用で、映像・音楽を存分に楽しめる。デジタルノイズキャンセリング機能にも対応し、対応ヘッドフォンを使えば外出先の騒音を抑えて音楽などに集中できる。周辺機器のバリエーションも豊富で、「キーボードと組み合わせればパソコンのように使えるし、通話機能付きのリモコンを使えばVoLTEの高品質な通話も可能」(加藤社長)。バッテリー容量は6000mAh。急速充電2、ワンセグ/フルセグ、防水/防塵の各性能・機能を備える。

▼洗練されたデザインを採用した「らくらくスマートフォン3」を発表する加藤社長20140514_docomo004.jpg

●らくらくスマートフォン3 F-06F(富士通製)
デザイナーの原研哉氏による新デザインを採り入れた、らくらくスマートフォンの第3弾。手にフィットする形状と、本体色と画面色の統一で、これまでとは異なる洗練された美しさを表現する。ワンタッチダイヤルは従来の3件から、9件へと増加して家族だけでなく仲間などともコミュニケーションを取りやすくした。ディスプレイはHD解像度の4.5インチ有機ELで、ボタンのように押した感触がある「らくらくタッチパネル」も採用した。メッセージ付きの写真がトップ画面に表示される「ファミリーページ」、日本語入力をサポートする「Super ATOK ULTIAS for らくらく」など新機能も搭載した。非常用節電機能、おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信、防水/防塵の各性能・機能に対応する。

ここまで紹介したスマートフォン、タブレットの新製品すべてが受信時最大150Mbps/送信時最大50MbpsのXi(LTE)に対応。Disney Mobile on docomo SH-05F(Android 4.2)を除く8機種が、Android 4.4を搭載する。

フィーチャーフォンは2機種。いずれも3.3インチのディスプレイを搭載したスリムタイプで、防水、防塵の性能を備える。おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信といった携帯電話に求められる機能はフル装備する。F-07F(富士通製)は、1310万画素で自動シーン認識ができる高性能カメラを搭載、フルHDのムービーの撮影も可能。1000mAhのバッテリーを搭載、硬化コーティングなどの採用でキズがつきにくい。SH-07F(シャープ製)は、幅49mmとスリムで、アルミパネルの光沢が美しいボディーを採用する。「くっきりメニュー」の採用で、メニューの見やすさを向上させた。カメラは500万画素、バッテリーは820mAh。

また、アクセサリーや周辺機器のオススメ製品を提供する新ブランド「docomo select」も立ち上げた。2014年5月14日から提供し、ドコモショップ、ドコモオンラインショップで販売する。取り扱い商品は、ヘルスケア関連新製品の「ムーブバンド2」やウェアラブル端末の「Gear2」「Gear Fit」、Xperia Z2 Tablet用のキーボード、テレビ機能非搭載スマートフォンなどに向けたテレビチューナーの「TV BOX」など、13カテゴリーの300点以上を用意する。

雑誌読み放題の「dマガジン」開始、225Mbps対応も改めて言及

「サービス」面では、dマーケットに新しいサービスが加わる。雑誌読み放題コンテンツの「dマガジン」がそれで、月額400円で70誌以上の雑誌を電子書籍として読める。読み放題サービスに初登場の雑誌としては、「Hanako」(マガジンハウス)、「週刊アスキー」(KADOKAWA)、「エル・ジャポン」(ハースト婦人画報社)、「ル・ボラン」(学研パブリッシング)などがある。また、電子化初登場の雑誌として「LEON」(主婦と生活社)、「オレンジページ」(オレンジページ)などがあり、コンテンツのバリエーションが広い。

▼雑誌読み放題の「dマガジン」には、読み放題初、電子化初といった雑誌がラインアップされる20140514_docomo05.jpg

さらに、最大100枚までページ単位でクリッピングできる機能があり、あとでゆっくり読むといった使い方ができる。14のジャンルに記事を分類して表示し、ジャンルを指定することで雑誌を横断して興味のあるジャンルの記事を読める点も、電子書籍ならではの雑誌の読み方として面白い。

このほか、サービス面では、「dアニメストア」に高速ダウンロード機能を提供する。新しい画像符号化方式のH.265を用いることで、データ量を従来の2分の1程度に抑え、ダウンロードの所要時間を短縮するというもの。また「dビデオ」ではHDコンテンツを投入、100点以上のコンテンツを大画面テレビに映し出しても美しいHDクオリティーで楽しめるようになる。

「ネットワーク」面では、外部調査会社の「NTTドコモが満足度No.1」という結果を引き合いに出しながら、「ネットワークは生き物。この評価に甘んじることなくネットワークの整備を続けていく」(加藤社長)と語った。その1つの方策が、LTEの基地局の増加で、2013年度末の5万5300局から、2014年度末には1.7倍に相当する9万5300局へと増加させる。これは「3GのFOMAの基地局と同等の数字で、LTEが3Gエリア並みになる」(加藤社長)とのこと。また、100Mbps以上に対応した基地局も2014年度末には現行の10倍に当たる4万局を目標とし、エリアでの優位性を確保したい考えだ。

▼「最高のコミュニケーションを皆様へ」のメッセージの掛け軸を広げる加藤社長20140514_docomo06.jpg

高速性では、すでにクワッドバンドLTEとして受信時最大150MbpsのLTEサービスを提供しているが、その上でLTE-Advancedの技術を用いた受信時最大225Mbpsのサービスを2014年度中に提供することを改めて公表。さらに、10Gbpsといった超高速通信を実現する次世代通信規格「5G」についても、開発に着手していることもアピールした。新料金プラン、VoLTEなどのサービス、端末の新ラインアップ、サービスなどの提供で、「最高のコミュニケーションを皆様へ」(加藤社長)というメッセージで発表会を締めくくった。

【報道発表資料】
2014夏モデルの12機種を開発・発売
国内初、VoLTEによる通話サービスを提供
電子雑誌の定額読み放題サービス「dマガジン」を提供

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。