AT&T、ディレクTV買収で合意 - 買収総額485億ドル
2014.05.19
Updated by WirelessWire News編集部 on May 19, 2014, 10:31 am JST
2014.05.19
Updated by WirelessWire News編集部 on May 19, 2014, 10:31 am JST
米通信市場最大手のAT&Tは現地時間18日、衛星テレビ最大手のディレクTV(DirecTV)を買収することで同社と合意した。
Bloombergによれば、買収金額は485億ドル(1株あたり95ドル、現金28ドル50セントならびに株式交換66ドル50セント)で、買収成立後にAT&Tが引き継ぐディレクTVの負債も含めると総額671億ドルに上るという。
AT&Tはプレスリリースのなかで、今回の買収について、動画や高速ブロードバンド、モバイル通信などのサービスをバンドルして、全米のAT&T小売網を通じて販売できるようになるなどのメリットを挙げている。また、同社は現在ブロードバンドサービスが提供されていない地域で、新たに1500万世帯に同サービスを展開する計画についても明らかにしている。
AT&TはU-verseという有料テレビ放送を米国の一部で提供しているが、この加入者数が約570万世帯。いっぽう、ディレクTVの加入者数は米国内が約2030万世帯で、ほかに中南米市場にも約1800万世帯の加入者がいる。
米有料テレビ市場では、コムキャスト(Comcast)によるタイムワーナー・ケーブル(Time Warner Cable、TWC)の買収計画も進行中だが、それぞれの買収が成立した場合、コムキャスト-TWCの加入者数は約3000万世帯、AT&T-ディレクTVの加入者数は2600万世帯となる。
両社の取締役会はこの買収計画をすで承認しており、今後規制当局による承認を経て1年以内に完了する見込みとされている。なお、AT&Tは同社が保有するアメリカ・モビル(America Movil)の株式8%を手放す考えも明らかにしている。アメリカ・モビルは中南米の一部の市場でディレクTVと競合関係にある。
なお、AT&Tはこの買収にあたり、2010年に米連邦通信委員会(FCC)が発表したネットワーク中立性のルール(固定回線におけるトラフィックの差別的取り扱いを禁じるもの)を少なくとも3年間は遵守することに同意するとしている。
AT&Tは2011年に試みた米T-モバイル(T-Mobile USA)の買収が失敗に終わった後、主に欧州などの海外市場で事業拡大の可能性を探っているとされ、一時は英ボーダフォン(Vodafone)の名前なども潜在的な買収先として浮上していた。しかし、今年2月にコムキャストがTWCの買収計画を発表したことを受けて、米国内での企業・事業買収に視野を転じていたという。
【参照情報】
・AT&T to Acquire DIRECTV - AT&T
・AT&T Agrees to Buy DirecTV for $48.5 Billion to Add TV Users - Bloomberg
・AT&T to acquire DirecTV for $48.5 billion - The Verge
・AT&T Set To Announce DirecTV Acquisition Sunday - BuzzFeed
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