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大人のための賢いメッセージング用アプリ、Emu

2014.05.22

Updated by Kenji Nobukuni on May 22, 2014, 12:00 pm JST

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EmuはAI(人工知能)を少し活用したiPhone用メッセージング・アプリ(ベータ版を無料提供中)で、単にメッセージのやり取りで楽しむティーンエイジャーではなく、スケジュール設定とか行き先、リマインダーの設定など、メッセージのやり取りをいくつものタスクと連動しなければ仕事にならない大人のためのアプリだ。スケジュール、地図、レストラン検索、メール、メッセンジャーなどスマートフォンには多くの便利なアプリが、それぞれ単独に存在し、別々に動いている。

誰かとテキストメッセージでランチの相談をしている時に、当然のことながらカレンダー・アプリを参照しなければ、今日の予定は分からない(すべて暗記していれば別だが)。Emuはメッセージング画面の下に今日のスケジュールが小さく表示されていて、タップすれば入力画面になる上に、AI(人工知能)──自然言語処理と学習機能──が気を利かせて、テキストメッセージの内容から推測しイベント名を「ランチ」と予め入力して表示してくれる。

ランチの店として友達から知らないレストランの名前を提案されたら、値踏みのためにYelpかぐるなび、食べログを開かなければならないところだが、Emuなら予めYelpからそのレストランの情報を引き出しておいてくれるので、詳細が見たければタップするだけだ。このように、複数のアプリを行ったり来たりすることなく統合して使うことができるようになるので、Emuはアシスタント機能内蔵のテキスト用アプリと自称している。

受信者、つまりEmuの利用者が自動車の運転中にメッセージを受け取ったら、自動的に運転中だからすぐに返事できないと返信したり、特定の場所に到着したら、あるいは逆に特定の場所を離れたらリマインダーを表示したり、はたまた、現在地は職場なのか自宅なのかに応じて通知の内容を変えたりと、芸が細かい。

開発チームには、Apple、Google、Yahoo!メッセンジャー、Siri、TechCrunchの出身者が名を連ねているらしい。

【参照情報】
Emuのウェブサイト
iTunesのEmuのページ

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来