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AKB48の握手会でまたもや注目されてしまった日本のブラック労働

2014.05.27

Updated by Mayumi Tanimoto on May 27, 2014, 09:33 am JST

AKB48の握手会で、川栄李奈さんと入山杏奈さん、さらにスタッフの方が、ノコギリ男に襲撃され負傷するという事件がありました。

警備に問題があったのではないか、握手会でCDを売りつけるビジネスモデルに問題があったのではないか等々色々議論がある様です。さて、この事件ですが、海外でも報道され世界デビューしてしまいました。

BBC Japan girl group AKB48 attacked by male fan with saw
The Independent Japanese girl band AKB48 attacked by a fan wielding a saw
The Guardian Japanese girl band AKB48 attacked with a saw at fan event
RT Japanese horror: Two pop idols attacked by saw-wielding man
Reuters Slasher attacks Japan pop girl group AKB48 at fan event
Wall Street Journal   AKB48 Members Assaulted With Saw, Hospitalized

この様な報道の中で気になるのはBBCの記事です。AKB48のメンバーがマネージメントにより大変厳しいルールに従う様に強制され、デートすらできないこと、メンバーの一人である峯岸みなみさんが、昨年、彼氏とデートしていたことがバレて、剃髪にしてメディアで謝罪したことも紹介されています。さらに、「この事件は、日本のポップアイドルは普通の生活をする権利があるのかどうかという議論を呼んでいる」と締めくくられています。また、他の媒体の報道でも、マネージメントが理不尽なルールを強いていること、警備に不備があったのではないか、ということが指摘されています。狂信的なファンも集まるであろうと考えられるイベントで、ファンは至近距離に近寄るというのに、警備はどうなっていたのか、メンバーの人権は守られていたのか、ということが示唆されているわけです。

峯岸みなみさんの事件はワタクシもこのブログで取り上げましたが、公的な場で泣きながら謝罪しているという動画は、世界中に広まり大きな反響を呼びました。日本の人の中には、あれは演出の一部だ、炎上商法の一部だと言っている人がいましたが、日本の外の人々には、単にデートしただけなのに囚人の様に扱われ、泣くまで責められるというのは、若い女性を雇用者が虐待にしている図にしか見えないわけです。

こちらの感覚だと、例え芸能人であっても自分の労働環境には文句を言います。例えばこの様な事件があった場合、被害にあったアイドルは、警部の不十分さや管理の不備を理由にマネージメントに訴訟を起こすでしょう。二人とも未成年だったので、マネージメントに対しては大変厳しい制裁が加えられることが予想されます。さらに、今回の事件以外にもマイナーなトラブルが発生したとしていたら、マネージメント側は、雇用者責任を問われるかもしれません。

海外のメディアや日本のビジネスについて書かれた研究や書籍では、日本の雇用環境が大変厳しいものであること、長時間労働が当たり前のこと、労働関係の法がしばしば無視されること、労働者側が雇用側を訴えることが少ないこと、職場での女性の扱いが酷いことが、しばしば指摘されています。

この事件を耳にして、日本のブラックな労働環境を思い起こした海外の読者は少なくないはずです。

The Guardianに掲載されていた読者のコメントも気になります。日本ではクールジャパンが騒がれていますが、海外ではこのような見方をする人も少なくないことを理解しておくべきです。

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谷本 真由美(たにもと・まゆみ)

NTTデータ経営研究所にてコンサルティング業務に従事後、イタリアに渡る。ローマの国連食糧農業機関(FAO)にて情報通信官として勤務後、英国にて情報通信コンサルティングに従事。現在ロンドン在住。