WirelessWire News The Technology and Ecosystem of the IoT.

by Category

LINEの新たな収益源として期待される「LINE Creators Market」世界へ

2014.06.30

Updated by Hitoshi Sato on June 30, 2014, 14:10 pm UTC

20140630-1.jpg

LINEは2014年6月11日、LINEスタンプの制作・販売プラットフォーム「LINE Creators Market」における販売実績を公開した。2014年5月8日にLINE Creators Marketでスタンプの販売が始まり、6月7日までの1カ月間のデータを公開した。

スタンプ販売総額は1億5,000万円を突破

2014年6月7日時点での記録は以下の通りである。

・登録クリエイター数は8万人
・登録スタンプ数は1万2,000セット
・LINE Creators Market全体における販売総額は1億5,000万円
・審査が完了し、販売が始まったスタンプの総数は1200セット
・購入されたスタンプ総数170万セット
・スタンプ1セット当たりの販売総額平均は、売上上位10位までが470万円、30位までが260万円、100位までが120万円、200位までが70万円
・スタンプ1セット当たりの販売総額を比率でみると61.7%のスタンプが販売総額1万円を突破
・ユーザー間でのスタンプ送信回数は8,100万回を超えた。

「LINE Creators Market」販売地域が全世界へ拡大

LINEは2014年6月27日、LINEスタンプの制作・販売プラットフォーム「LINE Creators Market」の販売対象国を拡大したことを発表した。従来、LINE Creators Marketのクリエイターズスタンプはアプリ内のスタンプショップで購入するもので、日本、タイ、台湾、インドネシアの4か国でしか販売していなかった。今回、全世界のユーザーのアプリ内スタンプショップでクリエイターズスタンプが購入できるようになった。販売地域の拡大に伴い、LINE Creators Marketでのスタンプ販売時には、販売希望地域を選択することができるようになった。

また、2014年6月26日にはPCやスマートフォンのブラウザでアクセスできる「LINE ウェブストア」がアメリカ・スペイン・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・カナダ・オーストラリア・ブラジルの9カ国でも利用できるようになった(従来は日本、タイ、台湾、インドネシアの4カ国)。LINE ウェブストアでもクリエイターズスタンプの販売を始めた。

さらに、対応言語も拡大し、従来は日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、タイ語、インドネシア語の6言語に加えて、新たにスペイン語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語の5言語を追加した。なお、6月26日時点で登録クリエイター数は10万人、登録スタンプ数が14,000セットを超えた。

新たな収益源として期待される「LINEのキラーコンテンツ」であるスタンプ

LINEは2014年2月26日、LINEユーザーが自分でスタンプを作成して販売できる「LINE Creators Market」を発表した。同日、ほかにLINEアプリ上から国内外の固定電話・携帯電話に低料金で電話がかけられる「LINE電話」、LINE公式アカウントの機能をAPIとして提供し、企業がカスタマイズして活用できる「LINE ビジネスコネクト」も発表した。

LINEが発表した3つのサービスの中で一番の収益の柱として期待できるのは「LINE Creators Market」だろう。職業・年齢・プロ/アマチュアを問わず、LINEユーザーなら誰でも自分で作成したスタンプを「LINE ウェブストア」上で販売できるマーケットのプラットフォームで登録や申請は無料である。LINE側での審査をクリアすれば、40種類のスタンプを1セット100円で販売でき、売り上げの50%が製作した人の収入になる。つまり、残りの50%はLINEの収入である。LINEとしてはプラットフォームを提供するだけで、個人が作成したスタンプ売上の50%を手数料として徴収できる。

LINE側の手数料50%は相当に大きい。NTTドコモが提供している「iモード」もプラットフォーム提供であるが、NTTドコモの取り分(課金代行手数料)はコンテンツプロバイダーの販売の9%である。

LINEは2014年5月8日、2014年第1四半期(1月~3月)の業績を公開した。売上高は前四半期比14%増の180億円で、前年同期比では223%増。スタンプ事業では現地の人気キャラクターを起用したスタンプの提供が、イタリアやフランスでLINEの利用者増に寄与したという。スタンプはまさに「LINEのキラーコンテンツ」なのである。

現在、LINEの収益におけるスタンプ事業は約20%程度だが、今回「LINE Creators Market」のチャネルが世界に拡大したことによって、今後LINEの収益にどれだけ貢献するのか期待される。

20140630-2.jpg
LINEのキャラクターはタイで人気があり、若者の生活の中に溶け込んでいる。
(チュラロンコーン大学(CU)の卒業パーティ案内)

【参照情報】
ユーザーが制作したスタンプを販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」、販売・購入開始後1ヶ月の販売・利用実績を公開
「LINE Creators Market」の販売対象国を拡大、全世界のLINE内スタンプショップでクリエイターズスタンプが購入可能に
2014年1-3月期、業績についてのお知らせ

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。