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[2014年第29週]ワイモバイルの新料金はコーヒーのようなS/M/L、LINEが不正防止策、FeliCaに新デバイス

2014.07.22

Updated by Naohisa Iwamoto on July 22, 2014, 14:30 pm JST

3大キャリアがほぼ横並びの新料金プランを発表して一段落かと思ったところ、新生ワイモバイルが殴り込みをかけてきた。月2980円で、10分以内の通話が300回と、1GBのデータ通信ができるプランなど、意欲的な内容だ。格安スマホ、格安SIMも含めて、まだまだスマートフォンの適正料金を探る戦いは、今始まったばかりと言えそうだ。LINEは、不正アクセスを防止するため、PINコードの入力を求める新しい対策を講じた。おサイフケータイや電子マネーカードなどでお馴染みのFeliCaに、カード単体で残高照会ができる新しいデバイスなどが複数開発され、今後のFeliCa/NFCの世界の広がりを感じさせたのもこの週のトピックだった。

ワイモバイルは2980円で「ほぼかけ放題」と1GB、日本通信がドコモに音声の相互接続申し入れ

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携帯電話やスマートフォンの料金に大きく動きがある2014年だが、さらに一段と揺さぶりをかけるようなプランが発表された。イー・アクセスとウィルコムの合併後初となる新サービス・新商品発表会をワイモバイルが開催し、新料金プランをアナウンスしたのだ。ワイモバイルのターゲットは、「レイトマジョリティ」で、PHS4機種・スマートフォン2機種・モバイルルーター1機種の新端末と、スマートフォン向け新料金プランを発表。スマートフォン向けの料金プラン「スマホプラン」は、データ使用量に合わせて、「S(上限1GB)」が月額2980円(税別・以下同様)「M(3GB)」が月額3980円、「L(7GB)」が4980円の3プランを用意。料金プランには、1回あたり10分以内の国内通話(月300回まで)と、データ通信の定額料が含まれる。「コーヒーのサイズを選ぶように分かりやすい」(エリック・ガンCEO)という新料金プランだ(関連記事:キーワードは「ENJOY!」と「EASY!」-ワイモバイルが新サービス・新商品を発表)。

一方、MVNOの先駆者である日本通信も新しいアプローチで日本の携帯電話/スマートフォンの料金に変革を迫る。今回、日本通信はNTTドコモに対して、音声通信網の相互接続を正式に申し入れた。これまでの卸契約よりもMVNO側に自由度の高い「相互接続」を申し入れ、帯域幅課金による料金精算により新しい通話サービスの企画・提供につなげたい考えだ。なお今回の相互接続の申し入れは、既存の音声サービスの実現手法である回線交換方式だけでなく、NTTドコモが6月に提供を開始したばかりのVoLTEによる接続も含む(関連記事:日本通信がドコモに音声網の相互接続を申し入れ、新機軸のサービス提供を目論む)。

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PINコードで不正ログイン対策するLINE、サムスンが国内でタブレット

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エンドユーザーに関連するニュースを紹介する。まず、LINEの不正ログイン防止策の話題から。LINEは、LINEへの不正ログインや乗っ取り対策の強化の1つとして、スマートフォン版LINEアプリのセキュリティを強化した。ログインの際に、LINE専用の4ケタの数字からなる「PINコード」の入力を求めるようにすることで、第三者の不正ログインを防止する。Android版LINEのバージョン4.5.0未満を利用している場合は、バージョン4.5.3にアップデートした後で、PINコードの設定が可能になる(報道発表資料:【重要】スマートフォン版LINEのセキュリティ強化のため、「PINコード」による本人確認手順を追加しました)。

端末の動きもあった。サムスン電子ジャパンは、タブレット端末のフラッグシップモデルとなる「GALAXY Tab S」シリーズの2モデルを国内発売すると発表した。10.5インチディスプレイを搭載する「GALAXY Tab 10.5」と、8.4インチの「GALAXY Tab 8.4」で、いずれもWi-Fiモデルを同社が展開する「GALAXY SHOP」で8月1日から販売する。いずれも、フルHDを超えたWQXGA(2560×1600ドット)のスーパー有機EL(Super AMOLED)ディスプレイを、CPUには、8つのコアを備えたオクタコアCPUの「Exynos 5 オクタコア」を搭載した(関連記事:サムスン、10.5インチと8.4インチの「GALAXY Tab S」Wi-FiモデルをGALAXY SHOPで国内発売)。

富士山の公衆Wi-Fiを外国人観光客にも使ってもらう試み。KDDIとワイヤ・アンド・ワイヤレスは、2014年7月18日から静岡県御殿場市と協力して御殿場口新五合目にて開催される「Mt.Fuji Trail Station」で公衆無線LANサービスを提供する。外国人観光客は、「Mt.Fuji Trail Station」の「インフォメーションブース」でパスポートを提示することで、Wi2のWi-Fiスポットを3日間使える「Wi2 300 ワンタイム (3days)」チケットを無償でもらえる。先着3000人に提供する。富士山御殿場ルートの活性化支援として提供するという(報道発表資料:富士山で外国人観光客に無料でWi-Fiを提供)。

木材資源など環境保護の取り組みを、利用者にも協力する施策もアナウンスされた。NTTドコモは、携帯電話の利用料金およびクレジットカードサービスのDCMX、DCMX GOLDの利用代金明細の標準的な案内方法を、紙媒体から電子化したサービスに切り替えると発表した。従来のように紙媒体での送付を希望する場合は有料になる。利用料金の案内は2015年1月の利用分に相当する2015年2月請求分から、DCMXも2015年1月利用分、2月請求分をメドに切り替える。(関連記事:ドコモ、携帯電話の利用料金やDCMXの明細の案内を電子化、紙の案内は有料へ)。

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FeliCaの新デバイス、医療向けソリューションが発表

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ビジネス向けや国際関連のニュースも相次いだ。ソニーとフェリカネットワークスは、両社が主催したイベントでFeliCaの最新技術や商品・サービスについての動向を発表した。NFCの標準規格に準拠し、現行品よりも面積比で40%以上の小型化を実現した「次世代モバイルFeliCa ICチップ」や、カード単体で残高や履歴を確認できるだけでなく、Bluetoothでスマートフォンと連携できる液晶画面付きの新コンセプトのICカード「インタラクティブ・FeliCaカード」を、今後提供していく。インタラクティブ・FeliCaカードを使えば、iPhoneでもカードのチャージや残高照会、履歴照会が可能になり、「おサイフケータイ」の利用の幅が大きく広がる(関連記事:iPhoneでも「おサイフケータイ」を実現?!、ソニーとフェリカネットワークスが新技術や新コンセプトを披露)。

医療画像をモバイルクラウドで活用するソリューション。医療・福祉事業者向けシステムの提供などを手がけるスキルアップジャパンとNTTドコモは、医療機関向けのモバイルクラウドソリューション「JOIN」を提供すると発表した。JOINのクラウドサーバーに医用データを蓄積することで、画像を外出先で確認したり、複数の医療機関で共有するといったことが可能になる。スキルアップは医療向けソフトウェアの開発実績が豊富であり、ドコモは法人営業拠点を活用することで、JOINの提案・販売を進める。すでに、東京慈恵会医科大学付属4病院をはじめとした全国の15の病院で導入が予定されているという(関連記事:医用画像をクラウドベースで共用、医療機関向けソリューションをドコモらが提供)。

新しいアイデアの実現に向けたインキュベーション。KDDIは、スタートアップ企業やエンジニアを対象としたインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」第6期の最優秀チームおよび第7期の募集要項を発表した。第6期の最優秀賞には、コンテンツ配信プラットフォーム「MistCDN」を開発したMist Technologies株式会社が選定された。同日募集を開始した第7期では、「パートナー連合プログラム」を新たに開始する。KDDI ∞ Laboの趣旨に賛同する、メンタリング企業5社とサポート企業8社が参加。メンタリング企業として参加するコクヨ、セブン&アイ・ホールディングス、テレビ朝日、プラス、三井物産の5社は、KDDIと共にプログラムチームのメンターとなりスタートアップ企業をバックアップする(関連記事:KDDI、ベンチャー支援の「パートナー連合プログラム」と新たなファンドを設立)。

海外の通信インフラ整備に協力。KDDIと住友商事は、ミャンマー連邦共和国(以下「ミャンマー」)の政府機関でミャンマー国営郵便・電気通信事業体 (Myanma Posts & Telecommunications、以下「MPT」)と共同でミャンマーにおける通信事業を行うことに合意し、共同事業に係る契約を締結した。KDDIと住友商事は、KDDIの総合通信事業者としての技術力と、住友商事のミャンマーにおける60年以上にわたる実績と海外での通信事業で培ったノウハウと経験を活かし、通信インフラの整備を通して、「日本品質」のモバイルと固定通信サービスを提供するとしている(関連記事:KDDIと住友商事、ミャンマー国営キャリアとの共同事業で同国通信市場に参入)。

昨年の第29週のできごと

・つながるLTE/4Gは「ドコモ」、ダウンロードはXperia A
・利用者獲得にキャンペーンが続々
・ドコモ「おすすめパック」100万会員、KDDIらが位置情報活用実験

[2013年第29週]LTE/4Gエリア化率はドコモ首位、各社が夏のキャンペーン、おすすめパック100万人へ

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。