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アップル、蘭チップメーカーとNFC技術で協力 - 「iPhone 6」にモバイル決済機能搭載か(FT報道)

2014.08.29

Updated by WirelessWire News編集部 on August 29, 2014, 20:38 pm JST

アップル(Apple)が9月に発表すると見られる新型iPhone(「iPhone 6」)にNFC技術を利用したモバイル・ペイメント機能を搭載してくる可能性があるとFinancial Times(FT)が29英国時間日付の記事で報じた。

FTでは複数の情報筋の話として、オランダのNXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors、元フィリップスの半導体部門)がアップルにセキュア機能付きのNFCチップを提供するとしている。また9to5 MacではこのFT記事に触れながら、アップルが今年になって中国銀聯(UnionPay)とNFC技術を使ったPOS端末の展開で提携していたと指摘。また同日Patently Appleブログに掲載された特許関連の記事に言及して、新しい「iPhone」と「iWatch」などのウェアラブルデバイスがNFC経由で接続可能になるとする見方も記している。

日本国内などでいち早く普及した「おサイフ携帯」機能は、米国でもスマートフォンの導入に合わせて一時大きな注目を集めていた。GoogleがAndroid OSの「Wallete」アプリで同技術にいち早く対応し、自社ブランドの端末や「Samusung Galaxy S」シリーズの端末などにNFCチップを搭載したほか、ノキア(Nokia)でもWindows Phone端末「Lumia」シリーズの一部製品に同チップを搭載していた。また大手携帯通信事業者などがつくるISISなど複数の決済事業者も立ち上がっていた。しかし、NFCに対応するPOS端末の普及がうまく進まなかったことなどから、最近ではこの関連の話題が下火になっていた感もあった。またNFCベースのモバイル決済の普及が進まなかった原因のひとつとして、アップルがiPhoneへの同技術採用に消極的な姿勢を続けていたことが挙げられることもあった。

FTによると、米ではビザ(Visa)およびマスターカード(MasterCard)の大手クレジットカード会社2社が2015年10月を期限として、従来のクレジットカードからICチップ内蔵のカードへの切り替えを進めており、これに伴ってNFC機能にも対応する新しいPOS端末の導入も進むとみられているという。またアップルが自社のApple StoreでNFC対応のハンドヘルド端末をすでに導入していることや、BluetoothベースのiBeaconを使ったモバイル決済の仕組みに関する特許を取得していることなどにも触れている。

アップルではiTunesユーザーのアカウント数が今年4月時点で約8億件に達しており、その大半がクレジットカードを支払い手段としているなどと述べていた。また昨年発表された「iPhone 5s」には「Touch ID」と呼ばれる指紋認証技術が搭載され、ユーザーがこの機能をつかって簡単に買い物できる仕組みを自社のオンラインサービスや店舗で提供している。

新たなiPhoneにNFCベースの決済機能が搭載されれば、これまで「ニワトリが先か、タマゴが先か」という状態が続いていた米国でもモバイル決済の普及に向けた態勢がいっきに整う可能性があるとするアナリストの見方もFT記事では紹介されている。

【参照情報】
Apple eyes pay-by-touch for next iPhone - FT.com
Apple reportedly working with Dutch company NXP to include NFC in iPhone 6, possibly iWatch - 9to5 Mac
Apple Reveals Future iDevices like an iWatch with Wireless Charging Circuitry - Patently Apple

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