WirelessWire News The Technology and Ecosystem of the IoT.

by Category

PS4リモートプレイができるソニーのコラボスマホ「Xperia Z3」:今度こそソニーらしさを活かせるか?

2014.09.09

Updated by Hitoshi Sato on September 9, 2014, 16:43 pm UTC

20140909.jpg

ソニーは2014年9月3日、ドイツで開催されている世界最大級の家電見本市「IFA 2014」において、最新フラグシップのスマートフォン「Xperia Z3」シリーズを発表した。2014年秋から日本をはじめ世界で販売開始する予定である。

「Xperia Z3」の最大の特徴は、PS4リモートプレイを通じ、世界で初めてPS4の臨場感あふれるゲーム体験をスマートフォン上で提供することだ。PS4は2013年11月に北米で販売開始され、日本では2014年2月から販売が開始された。2014年8月には全世界で販売台数が1,000万台を突破し、現在でも約100の国・地域で販売している。全世界で8,000万台以上販売されたPS3の後継機種である。

ソニーでは、今までにもソニー社内の他プロダクトとコラボした携帯電話、スマートフォンを市場に投入してきた。例えば、デジタルカメラ「Cybershot」とコラボした「Cybershot phone」としてソニー・エリクソン時代の2006年に「K800」「K790」などを提供したことがある。

また、ソニーの液晶テレビブランド「BRAVIA」とコラボした「BRAVIAケータイ」を2006年にNTTドコモから「SO903iTV」として販売し、2009年には「BRAVIA Phone」シリーズをauから提供した。

さらに、ウォークマンとコラボした「Walkman Phone」をソニー・エリクソン時代の2009年にauの「Premier3」として提供したり、2011年にはスマートフォン「W8 Walkman Phone」を市場に投入している。

20140909-3.jpg2011年10月には、プレイステーションとコラボしたスマートフォン「docomo NEXT series Xperia PLAY SO-01D」(Xperia PLAY・写真右)をソニー・エリクソン製でNTTドコモから販売している。「Xperia PLAY」は、ソニー・コンピュータエンタテインメントのライセンスプログラム「PlayStationCertified」に対応したスマートフォンで、ゲームキーパッドを搭載し、初代「プレイステーション」のゲームなどが楽しめた。5タイトルのゲームをプリインストールし、Wi-Fi経由で追加購入することが可能だった。

今回もまたソニー・コンピュータエンタテインメントが提供する「プレイステーション」とのコラボを特徴としている。今までにもデジタルカメラ「Cybershot」、液晶テレビ「BRAVIA」、ウォークマンとコラボした携帯電話、スマートフォンを開発してきた。このようなコラボはソニーのようにグループとして様々なプロダクトを提供しているベンダーだから実現可能なことである。最近になって登場してきた途上国の新興ベンダーには真似できない。ソニーの平井CEOも「ソニーが持つ技術的な強み、ソニーグループとして貢献できるもの、ソニーが持つコンテンツやアプリなど、ソニーらしさを活かした商品を提供していくことが大切だと考えています」とコメントしている。

スマートフォンは世界中でコモディティ化している。ソニーのようなベンダーが途上国の新興ベンダーと価格競争で勝負しても、もはや叶わない。このような差別化要因となる特徴あるプロダクトで勝負していくしかない。「Xperia Z3」でPS4のリモートプレイを楽しむことができるのはPS4を所有しているユーザーのみである。現在では、スマートフォンで楽しめるゲームアプリは無数に存在している。PS4をリモートプレイできることがどこまで「Xperia Z3」の差別化として訴求できるだろうか。
いずれにせよソニーグループ内での相乗効果が今度こそソニーの業績回復につながることを期待している。

【参考動画】

【参照情報】
IFA 2014出展について

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。