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Googleも105ドルスマホ投入:低廉化するスマートフォンが変えるインドの携帯電話市場

2014.09.16

Updated by Hitoshi Sato on September 16, 2014, 05:00 am UTC

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2014年9月15日、Googleがインドで「Android One」スマートフォンを6,399ルピー(105ドル)で販売することを発表した。インドの地場メーカーMicromax、Karbonn、Spiceから販売される予定である。

また、インドのIntex Technologiesは2014年9月、「Firefox OS」を搭載したスマートフォン「Cloud Fx」を1,999ルピー(約33ドル)で販売開始することを発表した。1996年に設立されたIntex Technologiesは、携帯電話の他にデジタル家電などの開発も行っている。中国とインドにR&Dセンターがあり、テレビショッピングやネットショッピングでも商品を販売している。

Intex Technologiesでは今回販売開始した「Firefox OS」のスマートフォン以外にも、15,000ルピー(約255ドル)以下のミドルエンド端末から、5,000ルピー(約85ドル)くらいのローエンドのスマートフォン端末を多数販売している。今回の1,999ルピー(約33ドル)はインド市場全体を見ても、かなり低価格なスマートフォンである。もちろんフィーチャーフォンも販売している。フィーチャーフォンの価格帯は970ルピー(約17ドル)から2,500ルピー(約42ドル)で、インドの庶民にとっても非常に購入しやすい価格帯で多数のプロダクトを揃えている。

また、2014年8月29日からはインドのSpice Mobilityは「Firefox OS」搭載のスマートフォン「Spice Fire One Mi-FX 1」を2,299ルピー(約38ドル)で販売開始している。インドのスマートフォン市場ではメーカーによる低価格端末競争が始まっている。

インドでは携帯電話の出荷に占める70%がまだフィーチャーフォンである。それはフィーチャーフォンの方が遥かに安いからである。インドではスマートフォンは中古でも安くて80ドルくらいからだが、フィーチャーフォンは新品でも15ドルくらいからある。さらにフィーチャーフォンは中古品も大量に流通している。

▼インド市場における携帯電話出荷台数のうち、フィーチャーフォンとスマートフォンの比率(赤がスマートフォン)
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(IDCインドによる)

今回、Intex Technologiesが33ドルでスマートフォンを市場に投入してきた。新品で33ドルのスマートフォンはインドでもかなり安いプロダクトである。「Firefox OS」を提供するMozillaは2014年2月に25ドルのスマートフォンを実現することを明らかにしている。そのような市場ではGoogleの「Android One」も105ドルだから、高価なスマートフォンになりかねない。

これからもスマートフォンはますます低廉化していくだろう。それによって、インドや途上国での携帯電話に占めるスマートフォンの比率は急激に拡大していく。結局のところ、フィーチャーフォンの方がスマートフォンよりも売れているのは、端末の価格である。かつて安いスマートフォンは電池の持ちが悪いなど機能での見劣りしていたが、最近ではだいぶ改善されてきた。

インドにはMicromax、Lava、Karbonnなど多数の地場メーカーが存在しており、大都市だけでなく地方でも販売しており、知名度も高い。彼らもすぐにIntex Technologiesにキャッチアップして廉価なスマートフォンを大量に市場に投入してくるだろう。今までフィーチャーフォンしか購入できなかった層がスマートフォンを所有することによって、新たなアプリやサービスを利用する機会も増加し、新たな世界に触れることになる。端末の低廉化はインドをはじめとした途上国の人々の生活を大きく変える可能性を持っている。

▼(参考)インドの平均基本給月額
農業従事者はさらに安いが、彼らの多くも携帯電話を所有している。
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(JETRO発表資料を元に作成)

【参照情報】
Intex Technologies
Intex Cloud Fx is India's cheapest smartphone at Rs 1,999
Spice Fire One Mi-FX 1 Firefox smartphone offers some extras for Rs 2,299
Spice Mobility
Google launches $105 Android One; eyes low-price smartphone boom

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。