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[2016年第21週]PepperがAndroidに対応、スマホアプリは2週間で使われなくなる!

2016.05.24

Updated by Naohisa Iwamoto on 5月 24, 2016, 17:36 pm JST

この週は、さまざまなトピックが飛び交った。ロボットや生体認証などの比較的新しい分野の製品、サービスでの新たな取り組みがあったほか、面白い調査の結果がいくつか公表されている。

ロボット、生体認証、長距離伝送などで製品やサービス

まず、新しい分野のトピックから。ソフトバンクロボティクスとソフトバンクは、人型ロボット「Pepper」をGoogleのAndroidに対応させ、2016年7月に開発者向けモデルを先行販売するとアナウンスした。PepperがAndroidに対応することで、世界中に広がるAndroid のアプリケーション開発者がPepper向けのロボアプリを開発できるようになる。両者は従来のSDKである「Choregraphe(コレグラフ)」も引き続き提供し、「Choregraphe」で開発したロボアプリは、Androidに対応したPepperでも利用できるという(報道発表資料:人型ロボット「Pepper」がAndroid に対応)。

スマートフォンの指紋認証で宿泊時のパスポートの呈示を不要に。生体認証技術やサービスの開発を手掛けるLiquidとKDDIは、ホテルに宿泊する訪日外国人向けに指紋生体認証で本人確認を可能にする実証実験「プロジェクト池袋」を実施する。プリンスホテルが運営する「サンシャインシティプリンスホテル」が舞台となる。訪日外国人がホテルなどにチェックインする際、これまではチェックインの都度パスポートを呈示することが旅館業法で定められていた。今回、指紋生体認証ができれば、パスポートを都度呈示せずに済むソリューションが提供可能になり、実証実験を行うことになった(関連記事:指紋認証で訪日外国人のホテルチェックインが可能に、KDDIらが「プロジェクト池袋」を実施)。

センサーなどからの長距離伝送を可能に。日本電業工作は、免許不要で長距離の伝送が可能なワイヤレス環境観測システムを開発した。見通しで最大約30km、見通し外でも最大約2kmの長距離伝送が可能になる。開発したシステムは、免許不要で使える920MHz帯の特定小電力無線機「Echoes LINK」によるワイヤレス環境開発システム。今回は防災無線システムに気象センサーなどの環境センサーを適用することを想定し、実証実験を行った(関連記事:920MHz帯で見通し外2kmの免許不要センサーネットワーク、日本電業工作が開発)。

日本人はアプリに飽きっぽい? スマホ依存の自覚が2割に上る

この一週間に公表された調査の結果をピックアップして紹介する。モバイルアトリビューションおよびアナリティクス企業であるドイツadjustは、最新のベンチマークレポートの結果を公表した。レポートでは、日本のユーザーはインストール後の最初の2週間で1日平均2回アプリを開き、毎日平均2分6秒間アプリを使用しているこという。これは世界平均の1分21秒に比べると、30秒以上長い。一方、アプリをインストールしてから2週間で再度アプリに戻る割合はわずか9.3%で、日本のユーザーの90.7%以上はアプリのインストールから14日目以降にはすでにそのアプリの使用をやめているという結果が明らかになった(報道発表資料:Mobile Benchmarks、英語)。

スマートフォンへの依存の傾向は30代以下の若年層に高く、20代では「かなり依存している」とした回答が4分の1を超える--。MMD研究所が発表した「2016年スマホ依存に関する調査」の結果では、このような結果が得られた。調査は、スマートフォンを所有する15歳〜59歳の男女553人を対象に実施したもの。スマートフォンへの依存の自覚は、全年代では「かなり依存している」が18.8%、「やや依存している」が52.6%で、約7割がスマートフォンへの依存を自覚していることが分かった。年代別では、「かなり依存している」という“重症な人”が20代では26.4%で最も多く、「かなり依存している」と「やや依存している」の合計の“依存傾向がある人”は30代が78.2%と最も多い結果だった(関連記事:10〜30代の2割以上が「スマホにかなり依存」と自覚--MMD研究所)。

モバイルデータ通信サービスは「家庭で」。J.D. パワー アジア・パシフィック(J.D.パワー)は、「2016年日本モバイルデータ通信サービス顧客満足度調査」の結果を発表した。対象はWi-Fiルーター、USB端末、PCカード、Expressカードで、総合満足度はauが1位、UQコミュニケーションズが僅差で続いた。用途としては「動画や映像サービスの視聴/投稿」が約9割と最多、続いて「オンラインストレージ」が約7割で、大量のデータ通信を行うユーザー像が見えてくる。一方、モバイルデータ通信サービスの利用者の7割が自宅で固定の光ファイバー回線の契約をしていないように、固定のインターネット接続回線の代替としてモバイルデータ通信サービスを利用しているケースも多い(関連記事:Wi-Fiルーターなどのモバイルデータ通信サービス、自宅でスマホの利用が増加へ--J.D.パワー)。

BIGLOBEに端末管理サービス、UQ WiMAXが長期割引

通信事業者関連のトピックを紹介する。BIGLOBEは、PCやスマートフォン、タブレットなどの資産管理とセキュリティ対策を一元管理できるクラウドサービス「PC&モバイル管理サービス」の提供を開始した。サイバネットシステムが提供するサイバネットクラウドをBIGLOBEが販売するもの。スマートフォンやパソコンのマルチデバイス、マルチOSに対応し、クラウドでの一元管理や自動セキュリティ診断などが可能になる。1クライアントあたり120円から利用できる(報道発表資料:BIGLOBEが「PC&モバイル管理サービス」の提供を開始

UQコミュニケーションズは、WiMAX 2+の利用者に対して、契約期間の初回更新以降、月額500円を割り引く「長期利用割引」を開始する。7月1日に提供を始める。WiMAX 2+の料金プランでは、25カ月目まで月額500円を割り引く「UQ Flatツープラス おトク割」が適用されている。今後は、「長期利用割引」により「おトク割」の適用が満了する26カ月目以降も毎月の支払料金が増加することなく利用し続けられる(報道発表資料:WiMAX 2+サービスに「長期利用割引」が登場!)。

NTTドコモは6月1日にネットワーク利用制限の対象を拡大するとアナウンスした。ネットワーク利用制限は、不正に入手された携帯電話機が振り込め詐欺などの犯罪に利用されないようにするための取り組みの1つ。携帯電話機の固有番号をドコモのシステムに登録することで、通話や通信の利用を制限するもの。6月1日にネットワーク利用制限の対象として追加となるのは、「ドコモの分割払い」などを利用していて代金滞納の恐れがある携帯電話機、または代金滞納となった携帯電話機である(関連記事:ドコモ、携帯電話の不正転売防止のため、ネットワーク利用制限の対象を拡大)。

ネット環境の法的課題解決に研究所、IoTで地域のEMS

この週のこのほかのトピックを見ていこう。複雑化するネット環境における法的課題への取り組みや解決策の提案に資することを目的にした一般財団法人情報法制研究所(略称・JILIS)が設立される。これに先立ち、東京都内で設立記念シンポジウムが開催された。

これまでの反省を踏まえ、現在進む個人情報保護法改正における論点となる新たなネットワーク社会における消費者保護の視点、匿名加工基準とEUデータ保護指令との整合性など、技術系、数理系研究者との共同研究が必要であること、また番号法やゲノム法など、その他の法律においても、従来の縦割り方組織では十分に受け止めきれない課題が増えており、新たな組織を作ることも含め提案していく必要性を指摘し、「具体的な立法政策の提案」に積極的に取り組む意向を表明した(関連記事:一般財団法人情報法制研究所設立、学際的な専門家の集積による政策提言目指す)。

IoTとクラウド基盤を活用して「街」の暮らしをサポートするサービスを三菱電機が提供。クラウドに接続したさまざまな機器の省エネ化に加えて、街のニーズにあわせた快適な暮らしをサポートするEMS(エネルギーマネジメントシステム)サービスの「DIAPLANET TOWNEMS」がそれだ。家庭のテレビでサービスが利用でき、簡単・身近な省エネ環境を実現するほか、組み合わせ自由なサービスメニューにより、ニーズに沿った街づくりに貢献するという。このサービスは、「ZUTTOCITY」(兵庫県尼崎市、2018年3月全体竣工予定)で導入が決定している(報道発表資料:「DIAPLANET TOWNEMS」発売開始のお知らせ)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。