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ドコモと世界の主要6ベンダー、異ベンダー間のネットワーク仮想化実証実験に成功

2014.10.14

Updated by Naohisa Iwamoto on October 14, 2014, 19:40 pm JST

NTTドコモは2014年10月14日、「ネットワーク仮想化技術」(NFV)の実用化に向けた実証実験に成功したと発表した。今回の実験では、世界の主要6ベンダーと協力し、ソフトウエアと仮想的なハードウエアが異なるベンダーの組み合わせでも動作することを確認。NFVの実用化に一歩近づいた。

実証実験で協力を得たのは、アルカテル・ルーセント、シスコシステムズ、エリクソン、ファーウェイ、NEC、ノキア ソリューションズ&ネットワークスの6社。実施したのは、概念実証実験(PoC:Proof of Concept)で、LTEの通信機能を担うEPC(Evolved Packet Core)にネットワーク仮想化技術を適用したもの。ソフトウエアと仮想的なハードウエア(ハードウエア、仮想化レイヤ、仮想化管理システム)が異なるベンダーの組み合わせでも動作することを確認した。

実証実験で確認した動作は2つ。1つは、LTEの通信混雑時に通信設備の処理能力を増大させる機能。仮想化管理システムが通信混雑の通知を受けると、通信設備を追加する制御の指示を出して処理能力を高める。もう1つは、ハードウエア故障時にデータ通信を継続させるための機能。通信設備のハードウエアが故障したときに、短時間で自動的に別のハードウエアへ切り替えて通信機能を継続できるようにする。2014年5月の前回の実証実験では、これらを同一のベンダーのソフトウエアと仮想的なハードウエアで動作することを確認していたが、今回は異なるベンダーの組み合わせで利用できることを確認した。

ドコモは、ネットワーク機能の仮想化プラットフォームのリファレンス実装とオープンソースの公開を目的として2014年9月に発足したプロジェクト「Open Platform for NFV」に参加。世界の主要な通信事業者やベンダーと協力して、オープンソースを利用した仮想化プラットフォーム作りを進めている。プロジェクトでは、仮想化プラットフォームの2015年度の商用化を目指している。

【報道発表資料】
世界主要ベンダー6社と「ネットワーク仮想化技術」の実用化に向けた実証実験に成功

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。