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AT&T、イウサセルを25億ドルで買収へ - メキシコ携帯通信市場の再編加速

2014.11.10

Updated by WirelessWire News編集部 on November 10, 2014, 14:36 pm JST

米携帯通信市場2位のAT&Tが現地時間7日、メキシコ携帯通信市場3位のイウサセル(Iusacell)を25億ドルで買収することで同社と合意したと発表した。

イウサセルのサービス加入者は約860万人で、同社ネットワークの人口カバー率は70%。メキシコの人口が約1億2000万人であることから、AT&Tがこの買収完了後にリーチできる北米の人口は合わせて4億人に達する見通し。イウサセルはAT&Tと同じGSM方式のネットワークを展開しているため、両社のユーザーはこのメリットを受けられることになる。なお、買収額にはAT&Tが肩代わりするイウサセルの8億ドルの債務も含まれ、また買収完了時期については2015年前半とされている。

メキシコでは今年はじめにあった法改正を受け、通信・放送市場再編の動きが続いており、イウサセルの売却もこの流れの一環とされている。

同社は今年9月まで、TVアズテカ(TV Azteca)などを所有するリカルド・サリナス(Ricardo Salinas)氏のグループと、グルーポ・テレヴィサ(Grupo Televisa)とがそれぞれ50%の株式を保有していた。サリナス氏のTVアズテカはテレビ市場で30%のシェアを持ち、同市場の70%を押さえるテレヴィサとはライバル関係にあたる。サリナス氏のグループは2011年に、イウサセル株式の半数を16億ドルでグルーポ・テレヴィサに売却していたが、今年9月になってこれを7億1700万ドルで買い戻していた。またその直後には、ソフトバンクがイウサセルへの出資を検討しているとする話も報じられていた。

Bloombergによると、メキシコの携帯通信市場では最大手で市場シェア70%を押さえるアメリカ・モビル(America Movil)が優勢で、イウサセルは市場シェア約8%と苦戦を強いられているという。但し、アメリカ・モビルが政府による事業分割を回避するために、自社の市場シェアを50%以下に引き下げる考えを明らかにしており、また同社がAT&Tなどを相手に一部事業の売却交渉を進めているとの話も流れていたことなどから、AT&Tではイウサセルとアメリカ・モビルから取得する事業をあわせて、30%程度の市場シェアをメキシコで押さえたい考えではないか、といった見方も記されている。

いっぽう、AT&Tは今年5月にディレクTV(DirecTV)を485億ドルで買収する計画を発表。この計画承認の前提となる利害相反回避のために、それまで所有していたアメリカ・モビルの株式8%を手放していた。

AT&Tは米国市場の成長が鈍化するなか、昨年までは主に欧州などの市場で事業拡大の可能性を探っているとされていた。またそのなかで、一時は英ボーダフォン(Vodafone)の事業を買収する可能性なども浮上していた。だが、今年2月にケーブルテレビ市場最大手のコムキャスト(Comcast)が同2位のタイムワーナー・ケーブル(TWC)の買収計画を発表したことを受けて、米国内での企業・事業買収に視野を転じたとされていた。

【参照情報】
AT&T to Buy Mexican Mobile Carrier Iusacell for $2.5 Billion - Bloomberg
AT&T Faces Off With Former Ally Slim in 2nd Mexico Deal - Bloomberg
Televisa Exits Iusacell in $717 Million Sale to Salinas - Bloomberg
SoftBank Said to Weigh Investment in Mexico's Iusacell - Bloomberg
AT&T to buy Mexican carrier Iusacell for $2.5B - CNET

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