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空飛ぶ「ニセの携帯基地局」、 米連邦保安局が容疑者捜しに利用(WSJ報道)

2014.11.14

Updated by WirelessWire News編集部 on November 14, 2014, 14:31 pm UTC

米連邦保安局(The U.S. Marshals Service)が犯罪捜査のために、携帯基地局を装う装置を搭載した飛行機をつかって、多数の携帯通信端末の情報を秘密裏に収集していたことが明らかになった。

WSJが米国時間13日付記事で伝えたところによると、米連邦保安局はこの情報収集活動を2007年から行っており、少なくとも5つの大都市圏にある空港で情報収集用のセスナ機を運行していたという。WSJでは、この5つの空港から飛行機を飛ばすことで、米国民のほぼすべてをカバーできるとする関係者の話を紹介している。

同保安局は、これらのセスナ機に搭載した「dirtboxes」と呼ばれる携帯基地局を装う端末を使って、接続してきた携帯電話端末の個体情報(unique registration information)を収集し、容疑者の使う端末の発信位置を特定していた。その精度について「ある建物のなかのどの部屋にいるかまで特定が可能」とする話も紹介されている。また、携帯電話の信号を妨害したり、特定のテキストメッセージや写真ファイルを取得することも可能だったという。

保安局では、直接情報を収集するこのプログラムを通じて、携帯通信事業者に顧客情報や通話記録などの照会を依頼する従来の方法に比べ、捜査に要する手間や時間を省くことが可能とされている。またこうした情報収集行為が、裁判所の許可を得た上で行われた合法的なものとする関係者の話も出ている。ただし、犯罪とは無関係な一般携帯電話加入者の情報が収集後にどう取り扱われているかなど不明な点も残されているようだ。WSJでは、「dirtboxes」搭載セスナ機を運航した場合、フライト1回につき数万台分の携帯通信端末の情報が収集できたとしている。

米国では今年、犯罪捜査に伴って必要以上に多くの情報を収集することや、収集したそれらのデータを保存しておくことは憲法違反にあたるとする判断が連邦控訴裁で下されていた。

米国では昨年、国家安全保障局(NSA)による大規模な情報収集活動が明らかにされ、大きな問題に発展していた。多くの市民の通信に関する情報を大量に集めた上で必要なものをより分けて利用するという点で、NSAのやり方と今回明らかになった連邦保安局のやり方とは共通すると、WSJは記している。

なお、WSJによると、この情報収集活動について、現時点で米司法省(The Justice Department)は肯定も否定もしておらず、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)は同プログラムの存在に気づいていなかったとしており、AT&Tやスプリント(Sprint)は同問題についてコメントを控えているという。

【参照情報】
Americans' Cellphones Targeted in Secret U.S. Spy Program - WSJ
The US Marshals are scanning millions of American phones with fly-by cell towers - The Verge

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