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インドでスマートフォン生産の工場設置を目指す中国Xiaomi(小米)

2014.11.18

Updated by Hitoshi Sato on November 18, 2014, 19:03 pm UTC

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米調査会社IDCが2014年10月29日、2014年第3四半期(7月~9月)の世界のスマートフォン出荷台数を発表した。それによると中国のXiaomi(シャオミ:小米)が販売台数を1,730万台と前年同期比210%以上と大幅に伸ばし、サムスン、Appleに続く第3位に浮上した。

Xiaomiは2010年4月に雷軍によって北京で設立され、2011年8月に初代の端末(MI-One:小米手機)を販売開始した、まだ創業4年の非常に若い企業であるが、中国のスマートフォン市場ではサムスンを抜いて1位のメーカーである。

同社は中国市場での人気を背景に世界のスマートフォン市場で3位まで上り詰めたが、売上の97%が中国国内である。そのため積極的な海外進出を目指していて、台湾やシンガポールでの事業を2014年2月から展開し、その後インド・ブラジル・ロシア・トルコ・マレーシア・インドネシアなどへの進出を行っている。日本への進出は予定していないとのこと。

そのXiaomiが注力している海外の市場としてあげているのがインドである。同社はインドで、自社製品の工場を建設することを計画していることが報じられた。Xiaomiは2014年7月からインドでスマートフォンを販売しており、インド国内のオンラインストア大手Flipkartを通じて50万台を販売している。まだ中国市場のように爆発的に売れているという段階までに来ていない。

Xiaomiのインド担当責任者のManu Jain氏によると、Xiaomiはこれまでも中国国外に生産拠点を設置することを検討していたそうだ。なお、同氏はXiaomiの国際業務バイスプレジデントのHugo Barra氏と同様にGoogleの元幹部である。

インドではまだ携帯電話販売に占めるスマートフォンの割合は30%程度である。インドは中国に次ぐ世界2位の携帯電話市場だが、同国でもMicromax、Lava、Karbonnといった地場メーカーの存在感が非常に強い。また安価な端末が受け入れられるインド市場では、地場メーカーが30ドルのスマートフォンを導入するなど、競争が厳しい市場である。こうした安価な端末は1台あたりの利益率が低いことから、薄利多売になるため、出荷台数は見込めるかもしれないが、決して美味しい市場とは言えない。

なお2014年10月27日、同社はインドでのXiaomi製スマートフォン利用者のデータを中国にあるサーバーから別の場所に移すことを発表した。2014年8月にインド空軍が職員に対しXiaomiのスマートフォンは安全保障上の脅威があると警告し、利用しないように指示していたことに対応した。Xiaomiは迅速にサーバー移転に対応し、インドにおける同社の「安心・安全・信頼性」をアピールしようとしている。

これからXiaomiがインドに工場を設置することによって、インド市場でのXiaomiのポジショニングがどうなるのか、引き続き注視していきたい。

▼2014年第3四半期における世界でのスマートフォン出荷台数とシェア
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(IDC発表資料を元に作成)

【参考動画】
Xiaomiの海外戦略、インドでの戦略を語る同社倍すプレジデントのHugo Barra氏

【参照情報】
China's Xiaomi Plans to Make Cellphones in India
Xiaomi to set up India customer data centre to deflect privacy concerns

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。