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グローバル展開を加速するOPPO - 東南アジア市場の強化に注力

2014.11.13

Updated by Kazuteru Tamura on November 13, 2014, 19:30 pm JST

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中国に本社を置く複数のスマートフォンメーカーがグローバル展開を加速している。そんな中、東莞市に本社を置くGuangdong OPPO Mobile Telecommunications(広東欧珀移動通信:以下、OPPO)はシンガポールでプレスカンファレンスを開催し、グローバル展開の一環として東南アジア市場の強化に注力することを明らかにした。筆者はプレスカンファレンスに参加して取材を行い、また東南アジアにおける展開を視察してきたので紹介する。

東南アジア市場を強化

OPPOがシンガポールで開催したプレスカンファレンスには各国の現地法人や現地販売パートナが招待され、アフリカや中東なども含めてグローバル展開を強化することを誓った。また、グローバル展開を強化する上で、特に東南アジア市場に注力することを明らかにした。

OPPOは東南アジアにおける多くの国で現地法人を設立し、正式に各国の市場に参入している。2014年10月末時点において東南アジアではベトナム、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ミャンマーの市場に参入し、正規にスマートフォンなどの販売を手掛ける。参入済みの東南アジア各国のうちマレーシア、シンガポール、フィリピン、ミャンマーには2014年に参入したばかりで、東南アジア市場における展開を加速していることが見て取れる。また、OPPOはこれまで新製品発表のプレスカンファレンスは中国で開催してきたが、初めて東南アジアで開催した。これも東南アジア市場に注力することの意思表示である。

東南アジアはスマートフォン市場の成長が期待されている。東南アジアにおけるスマートフォンの販売台数は増加しており、今後も増加すると見込まれている。成長が著しい東南アジア市場でスマートフォンの購入需要が今後も高まると判断し、OPPOは東南アジア市場に目をつけている。OPPOとしては人口が多くて若年層の割合が高いインドネシアを東南アジアの中でも重要な市場として、工場の建設も検討していると明かした。

プレスカンファレンスでは東南アジアの一部の国のスマートフォン市場におけるOPPOのシェアが公開された。OPPOが公の場で東南アジアにおけるシェアを明かすのは初めてである。インドネシア市場で約6%、マレーシア市場で約8%、そしてベトナム市場では約9%も占めるという。OPPOのスマートフォンが多く出回るほど現地でOPPOブランドが知られることになるため、シェアが高いことは今後の展開に有利としている。インドネシア市場への参入は2013年で、マレーシア市場は先述の通り2014年に参入したばかりで、いずれも参入から短い期間でシェアを伸ばしたことが分かる。

▼OPPOはシンガポールでプレスカンファレンスを開催した。
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▼東南アジアの一部におけるOPPOのスマートフォンのシェアを公開した。
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スマホの聖地をOPPO一色に

東南アジアの国にはスマートフォンの販売店が集結するビルが存在する。いわゆるスマートフォンの聖地である。OPPOはスマートフォンの聖地で大量の広告枠を確保し、スマートフォンの聖地をジャックしている。多くの人々がスマートフォンを求めて訪れる場所をOPPO一色にして知名度の向上を狙う。

例えば、OPPOが重要視するインドネシアではジャカルタのITC ROXY MAS、バタム島のNAGOYA HILL SHOPPING MALLにおいてOPPOの広告を大量に展開している。ITC ROXY MASの前には気づかない方が難しいくらいの巨大な看板広告が確認できた。また、マレーシアのジョホールバルにあるDanga City Mallはビルの規模こそ小さいが、ジョホールバルではスマートフォンの聖地のような存在で、インドネシアと同様に広告枠を大量に確保して広告を掲載している。

また、インドネシアやマレーシアの道路脇にはOPPOの看板広告が見られ、OPPOが東南アジア市場に力を入れていることが分かる。

▼ジャカルタのITC ROXY MASには巨大なOPPOの看板広告が設置されている。
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▼ITC ROXY MASは他社の広告も多いが、特にOPPOは広告が多く目立つ。
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▼バタム島のNAGOYA HILL SHOPPING MALLはOPPO一色に染められていた。
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▼バタム島の道路脇にOPPOの看板広告が設置されていた。
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▼ジョホールバルのDanga City Mallの内部もOPPOの広告が多い。
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▼Danga City Mallはエスカレータの広告までOPPOの広告である。
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▼ジョホールバルの道路脇に巨大なOPPOの広告看板が見られた。
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移動体通信事業者との提携も実施

スマートフォンの聖地にはスマートフォンを求める者が集結するが、国や地域によっては移動体通信事業者の販売店でスマートフォンを求める者も多い。東南アジアの国でも移動体通信事業者が端末類を販売しているケースは少なくなく、OPPOは移動体通信事業者と提携した販売も進めている。

プレスカンファレンスが開催されたシンガポールにおいては、シンガポール最大の移動体通信事業者であるSingapore Telecommunications(以下、SingTel)やM1と提携しており、各移動体通信事業者がOPPOのスマートフォンを取り扱う。OPPOのコーナーを用意しているSingTelの販売店も確認できた。また、マレーシアではU Mobileと提携しており、U Mobileの販売店にOPPOのコーナーが設置されていた。

なお、移動体通信事業者との提携した販売は東南アジア以外でも展開している。このようにOPPOはスマートフォンの聖地だけでなく、移動体通信事業者の販売店などスマートフォンを求める者が集まる場所では手を抜かずに展開している。

▼シンガポール最大の移動体通信事業者であるSingTelの販売店にあるOPPOのコーナー。
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▼U Mobileの販売店内にOPPOのコーナーが堂々と構えている。
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ハイエンドだけではないOPPO

OPPOのスマートフォンと言えばOPPO Find 7などハイエンドのイメージが強いだろう。ところが、OPPOはミッドレンジ以下のスマートフォンを数多く投入している。世界的に見てもハイエンドが中心の市場は少なく、特にOPPOが注力する東南アジア各国の市場はミッドレンジ以下が非常に多い。

OPPOによると販売台数が多いのはOPPO N1 miniやOPPO R1シリーズという。Selfieと呼ばれる自分撮りが流行る中、OPPO N1 miniのように自分撮りをしやすい回転カメラを搭載するのは嬉しい機能だろう。ハイエンドに比べて手頃な価格設定であることからも、若年層から多くの支持を得ている。若年層を意識としたカラーバリエーションも魅力である。ITC ROXY MASにあるOPPOの看板広告にはOPPO N1 miniが掲載されていることからも、OPPO N1 miniの人気の高さが窺える。また、OPPO R1シリーズは薄型でスタイリッシュなデザインに仕上げられており、こちらも評価が高い。

日本で報じられることは少ないが、OPPO Neoシリーズなどローエンド寄りも多く、これらが東南アジアにおける販売台数の増加に貢献している。東南アジアでは著しい経済発展を遂げたシンガポールであるが、低価格帯のスマートフォンの需要は少なくない。そこで、OPPO Neo 5をシンガポールで最も手頃な価格のLTE対応スマートフォンとして展開している。OPPO Neo 5はSingTelとM1の2社が扱っており、シンガポールでの売れ行きは期待以上という。

東南アジアではハイエンド機種の割合が低いが、それらが不必要な存在というわけではない。低いながら需要があり、また広告塔となって集客することもあるからだ。注目のスマートフォンを体験するために販売店を訪問した客が同社のリーズナブルな価格のスマートフォンを購入していくケースも見られ、インパクトのあるハイエンド機種は集客に貢献している。OPPOが展開するハイエンドのスマートフォンは世界的に話題になることも多いが、これらはブランドの周知やイメージ向上において大きな役割を果たしていたのである。

▼回転式カメラを搭載してSelfie機能を強化したOPPO N1 mini (N5116)。
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▼SingTelの販売店に展示されているOPPO Neo 5 (R831L)。
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▼OPPO Neo 5はシンガポールで最も手頃な価格のLTE対応スマートフォンと謳う。
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コンセプトストアの設置を進める

OPPOは東南アジアの各国でコンセプトストアとしてOPPO専門の販売店を開設している。コンセプトストアではOPPOのスマートフォンの展示や販売はもちろん、アクセサリの販売やアフターサービスも手掛ける。

コンセプトストアではOPPOのスマートフォンを試すだけではなく、OPPOのことを熟知したスタッフから説明を受けられる。また、スマートフォンと一緒にケースなどのアクセサリ類も購入できる。万一、スマートフォンが故障してもコンセプトストアで対応してもらえるため、利用者に安心感を与えることができる。OPPOは東南アジアでのマーケティングを強化するにあたり、信頼を得ることも重要としている。信頼を得るためにはアフターサービスなどの強化が必要としており、コンセプトストアの開設で販路の拡大のみならず信頼の獲得も目指す。

▼ジョホールバルにあるコンセプトストア。
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▼シンガポールに開設されたコンセプトストアは規模が大きく、開店祝いのスタンド花が贈られていた。
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"Ofan" を味方にして世界のOPPOに

OPPOは販売店の開設やイベントの実施など非オンラインの展開をオフライン市場と呼んでおり、東南アジア各国を中心としてオフライン市場を強化している。販売店の開設だけではなくイベントなどを実施することで、ファンの増加やOPPOブランドの周知を図る。OPPOは自社ファンのことを"Ofan" と呼んでおり、東南アジアを含めた世界で規模を拡大するにはOfanの存在が欠かせないという。Ofanの増加を狙ってイベントと同時にスマートフォンをプレゼントするキャンペーンも実施するなど、オフライン市場で様々な手法のマーケティングを繰り広げている。

東南アジアでは多くの中国メーカーを目にするが、広告枠をジャック、移動体通信事業者との提携、コンセプトストアの開設など、OPPOは他の中国メーカーでは見られないほど活発に動いており、東南アジアで存在感を高めていることは確かである。東南アジア市場を強化して更には世界をも目指すOPPOの動向は今後も目が離せない。

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田村 和輝(たむら・かずてる)

滋賀県守山市生まれ。国内外の移動体通信及び端末に関する最新情報を収集し、記事を執筆する。端末や電波を求めて海外にも足を運ぶ。国内外のプレスカンファレンスに参加実績があり、旅行で北朝鮮を訪れた際には日本人初となる現地のスマートフォンを購入。各種SNSにて情報を発信中。