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誰でもスパイ無人機が自作できる? アメリカで民間人が実験

2015.01.16

Updated by Kenji Nobukuni on January 16, 2015, 11:00 am UTC

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アメリカ空軍を退役した民間人2人が自宅ガレージで市販の無人機を改造し、サイバー攻撃が可能か実験を行った。ドローン悪用の危険性を訴えるのが目的。

使われたのは翼長1.7mの黄色い小型飛行機に無線通信を傍受するための機器──いずれも市販品──を搭載したもので、予めプログラムされた飛行ルートを飛びながら携帯電話やWi-Fiの電波を傍受する。自分たちがサイバー・アタックをすることが目的ではないので、通話の録音などは行っていないようだが、実験ではさまざまな情報の取得が可能なことを示した。セキュリティ関連のカンファレンスで発表された。

ドローンはWASP(Wireless Aerial Surveillance Platform)と名づけられている。「無線偵察飛行プラットフォーム」といった意味だろうか。ArduinoベースのLinuxマシン、Wi-Fi機器、GSMアンテナ、32GBのストレージを運んで無線を傍受する。航空法を厳密に守れたかどうかには疑問符がつくようだが、電波法はきちんと守りつつ、予めプログラムされたルートを自動操縦で飛び、無事に着陸した(離陸時と着陸時にはリモコン操縦が必要だったが)。コストは6,000ドル(約72万円)程度だった。

制作者の一人はセキュリティ関連のコンサルタントをしているそうで、自分たちに出来たということは、テロリストや犯罪者がその気になればスパイ・ドローンを数十万円で自作できてしまうとことを広く知ってもらうことが実験の目的だったという。災害救助や大規模農業、貨物の運搬など広範な利用シーンが期待を集める無人機だが、軍事利用はもとより、盗撮、ハッキング、さらには爆発物の運搬など物騒な利用法も当然考えられるということだろう。

この無人機はワシントンDCの国際スパイ博物館(私営)に展示されたそうだ。

【参照情報】
Spy Drone hacks WiFi networks, listens to calls
WASP用ドローンのウェブサイト(Rabit-Hole)
DIY Spy Drone Sniffs Wi-Fi, Intercepts Phone Calls
WASP: The Linux-powered flying spy drone that cracks Wi-Fi & GSM networks

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来