IoT時代を迎えて、スマートボトルも登場する。Thinfilm Electronics社が、ビバレッジ大手のDiageo社が持つジョニーウォーカーのボトルにNFC機能のある薄いセンサー・タグを貼り、高級ウイスキーの瓶がシールを開封されて栓を開けられたかどうかを検出するスマートボトルのプロトタイプを作り、3月上旬にバルセロナのMWC2015で展示した。ジョニ黒、ジョニ赤に続く、青いラベルの「ジョニ青」だ。スマートフォンなどNFCデバイスをかざすと、センサー情報を発することができる。当然、ボトル側にバッテリーは不要だ。
開栓されたかどうかが分かるメリットは何か?これさえあれば、せっかく購入した高いウイスキーを、訪ねて来た悪友が無断で飲もうとしても分かるので安心、というだけでは余りメリットが感じられない。流通や小売店、バーなどでは高額な正規品が安全に流通していることを確認することに使える。国によっては食の安全の面で重要視される。小売店で、消費者がスマートボトルにスマートフォンをかざしたら、プロモーションを配信することができる。また、家庭ではカクテルの作り方などを消費者に伝えることもできる。開封の前後で提供したい情報が異なる──流通や小売業に携わる人々と、消費者とで情報を使う側も異なる──ということでQRコードではなく、シール状のNFCを利用している。
Diageo社にはジョニーウォーカーのほか、キャプテンモルガン、クラウンローヤル、スミノフなどがあり、2015年後半にはいずれかのブランドで実際にスマートボトルが導入されるかも知れない。ちなみに同社は2009年にキリンビールと合弁で日本にマーケティング会社を設立している。
【参照情報】
・Diageo and Thinfilm Unveil the Connected 'Smart Bottle'(プレスリリース)
・Mobile World Congress: ThinFilm unveils 'smart bottle' for Diageo
・How Thinfilm will tell you the story behind that glass of Johnnie Walker
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