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チャイナ・テレコム:北京と上海でNFC交通サービスを提供へ

Forgot your wallet? Do not worry, still can catch the train with smartphone

2015.04.13

Updated by Hitoshi Sato on 4月 13, 2015, 18:39 pm JST

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中国の通信事業者の中国電信(チャイナ・テレコム)はジェムアルトが提供する「UpTeqマルチテナントNFC SIM」を採用し、上海と北京でNFC交通サービスを提供することを発表した。

中国電信は、中国有数の通信事業者で1億8,300万人以上の契約者がいる。本サービスによって北京、上海で4,500万人以上の通勤者がスマートフォンだけで、地下鉄に乗れ、日常的な買い物の支払いができるようになる。

中国の人口は約14億人で、2020年までにそのうち60%が都市部に居住するようになると予測されている。この急激な人口の増加に対応するため、交通や決済システムは急速に非接触型へと移行している。ジェムアルトは中国電信向け特別に設計したNFC SIMを提供。なお同SIMには4G LTEマネジメント・ソフトウェアも組み込まれている。

中国には決済システムだけでも、中国銀聯(ユニオンペイ)のQuickPassに対応する端末が約400万台設置されている。また中国は世界最大のスマートフォンのユーザー数を誇り、モバイル非接触取引のインフラは概ね整備されている。モバイルペイメントの大きな可能性を秘めた市場である。現在、北京では2大通信事業者がNFC交通サービスを提供しており、都市通勤者のほとんどが自分のスマートフォンで地下鉄に乗ることができるようになる。

また「NFC SIMマルチテナント」は、中国電信のモバイル決済アプリであるBestPayを搭載することによって、請求書の支払い、各種チケット、ユーザー向けの金融商品など付加価値サービスの提供が可能となる。

日本では10年ほど前からモバイルでのペイメント機能や交通機関の乗車が登場し、現在では生活のインフラになってきた。中国でもだんだんとそのような生活インフラが整いつつある。世界最大の人口をかかえる中国市場をめぐって、これからも国内外の多くの企業が様々なサービス、プロダクトを提供してくることだろう。

そして非接触でのペイメント機能の利用拡大と普及は、今までチケットや切符を印刷していた紙の大幅削減にもつながるだろう。中国での紙の使用量が減少することのインパクトは大きい。一方で製紙産業に従事していた人らは職を失う可能性が高い。大きな産業のパラダイムシフトが起きようとしている。

【参照情報】
China Telecom selects Gemalto to deploy mobile NFC transport in China’s two largest cities

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佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

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