フィリピン、2014年のスマートフォン出荷トップ5のうち3社が地場メーカー:東南アジア3位の市場へ

Cherry Mobile becomes Philippine’s top smartphone brand

2015.05.19

Updated by Hitoshi Sato on 5月 19, 2015, 14:28 pm JST

20150519-sato-a1

フィリピンのスマートフォン市場に大きな変化が出てきた。フィリピンの地場メーカー、Cherry Mobileが2014年のフィリピンのスマートフォン販売において、サムスンを抜いて最大のメーカーとなった。

調査会社IDCによると、フィリピンでの2014年の携帯電話の出荷台数は2,680万台で、そのうちスマートフォンが占めるシェアは47%(約1,260万台)となり、2013年の24%から大きく増加した。インドネシアでの2スマートフォン出荷が2014年で2,500万台、タイの1,650万台に次いで、フィリピンは東南アジア3位のスマートフォン市場となった。ィリピンの人口はまもなく1億人を突破しそうな勢いであることから、まもなく東南アジアではインドネシアに次ぐ市場になる可能性を秘めている。そしてフィリピンで出荷されるスマートフォンのうち58%以上が90ドル(4,000ペソ)以下の端末である。

2014年にフィリピンで出荷されたスマートフォンのトップ5のうち3社が地場メーカーだった。Cherry Mobileが1位、MyPhoneが3位、Torqueが5位にランクインした。それ以外はサムスン(韓国)、レノボ(中国)といったお馴染みのグローバルメーカーである。地場メーカーの台頭によって、中国メーカーのシェアは16%から15%に減少、グローバルメーカーのシェアも35%から28%まで減少した。IDCではこれからフィリピンにおいては50ドル(2,000ペソ)以下の端末が多数登場し、フィリピンのスマートフォン市場を牽引していくと予想している。

かつてフィーチャーフォンの時代には、フィリピンではノキア(当時フィンランド、現在は米国マイクロソフト)のシェアが圧倒的に高かった。フィリピンで「ノキアは携帯電話の代名詞」だった。しかし現在のフィリピンのスマートフォン市場では、世界一のサムスンですら、地場メーカーCherry Mobileよりも大きな差で2位である。

フィリピンでの地場メーカーの人気の秘密は、その安さにある。もはやスマートフォンはコモディティ化したために、デザインや機能、価格でもサムスンであろうとも大きな優位性はない。スマートフォンでやっていることは、FacebookやTwitterのソーシャルメディア、LINE、WhatsAppのようなメッセンジャー、YouTubeでの動画閲覧やゲーム、そして電話とSMS(ショートメッセージ)である。地場メーカーの安いスマートフォンで十分である。サムスンのようなグローバルメーカーである必要はない。またiPhoneのような高級端末を購入できるのは一部の富裕層のみである。グローバルメーカーも本気でフィリピン市場で勝負していかないと、これからも地場メーカーに圧倒されるだろう。

▼フィリピンにおける2014年のスマートフォン市場シェア

20150519-sato-at1

▼Cherry Mobile
20150519-sato-a2

▼My Phone
20150519-sato-a3

▼Torque
20150519-sato-a4

【参照情報】
Pulling Ahead of Vietnam, Philippines Now the 3rd Largest Smartphone Market in Southeast Asia, Says IDC
Homegrown smartphone brand beats Samsung in the Philippines
PH is 3rd largest smartphone market in 2014 in Southeast Asia—IDC

メールマガジン購読WirelessWire News メールマガジン

おすすめ記事を配信する『WirelessWire Weekly』と、閲覧履歴を元にあなたに合った記事をお送りする『Your Wire』をお送りします(共に週1回)
配信内容を詳しく見る

佐藤 仁(さとう・ひとし)

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

RELATED NEWS