2015年第30週

[2015年第30週]ドコモが「5G」へ着々、KDDIが同性カップルにも「家族割」適用へ

Weekly Report: Week 30 2015

2015.07.28

Updated by Naohisa Iwamoto on 7月 28, 2015, 11:58 am JST

NTTドコモが「5G」に向けて世界のベンダーと連携して準備を着々と進めていることを改めて感じさせられた週だった。家族のあり方が変化していく中で、同性のパートナーを「家族」として各種のサービスの適用対象とする動きがKDDIで始まった。

国内外のベンダーと連携して「5G」へ進むドコモ

ドコモの「5G」のニュースからまとめて見ていこう。NTTドコモは、神奈川県横須賀市のドコモR&Dセンタ(YRP)で、次世代通信システム「5G」推進のイベント「5G Tokyo Bay Summit 2015」を開催した。ドコモと5G技術の開発で協力関係にある世界のベンダーが集まり、講演と技術のデモ展示を行った。

ドコモ独自のデモでは、低い周波数帯の容量を拡大するための技術として「NOMA」(非直行多元接続)のデモ、5Gのコアネットワークとしてアプリケーションなどの要件ごとに仮想化したコアネットワークを割り当てる将来像の展示などがあった。

20150724_docomo003

ベンダーとの共同実験では、ノキアと70GHz帯での2Gbps伝送デモ、エリクソンと15GHz帯での5Gbps伝送デモなどが実際に実施された(関連記事:「5G」の技術開発をフルラインアップで紹介、ドコモの「5G Tokyo Bay Summit」)。

ドコモがノキアとの共同実験を6GHz以下の低い周波数帯へ拡張するというニュースもあった。両社は、これまでミリ波帯の高い周波数帯での共同実験を行ってきたが、6GHz以下の低い周波数帯域で5Gの1つの要件と考えられる10Gbpsのピークデータレートを目指す。さらに、LAA(License Assisted Access)の5Gへの適用などの検証も行う(関連記事:ノキアとドコモ、「5G」技術の共同検証を6GHz以下の低周波数帯に拡大)。

また、ドコモは、5G実験を共同で行うベンダーに新しく5社を加えたことも発表している。インテル、クアルコム、キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツ、パナソニックの5社である。インテル、クアルコムとは5Gデバイスの検討・実験を、キーサイト・テクノロジー、ローデ・シュワルツとは測定器に関する実験を、パナソニックとは5G通信システム技術に関する実験をそれぞれ実施する。

広がる「家族」、店舗利用でポイント加算

エンドユーザーに関連の深いサービスのトピックを紹介する。KDDIは、「家族」であることを利用条件としたサービスの適用範囲を同性パートナーシップに拡大する。地方自治体の条例などで、同性とのパートナーシップ関係が公的な証明書で証明される場合に、同性のパートナーシップの相手に関しても「家族割」や「auスマートバリュー」、家族間でデータ容量を贈れる「データギフト」などが適用される(報道発表資料:「家族割」等各種サービスの適用拡大について)。

ファミリーマートの買い物で、ソフトバンクユーザーはTポイントが3倍に。ソフトバンクとファミリーマート、Tポイント・ジャパンは、利用者の利便性とサービス向上を目的に、ソフトバンク携帯電話の利用者がファミリーマートで買い物をすると、3倍のポイントを付与する。2015年8月4日に実施する(報道発表資料:ソフトバンクのお客さまならファミリーマートのお買い物で貯まるTポイントがいつでも3倍に!)。

NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、AI(人工知能)を使って写真に写っている出来事を判断する機能を開発し、オンラインストレージサービス「マイポケット」で利用できるようにする。2015年冬の本格提供を予定し、2015年7月22日からトライアル提供を始める。AIにより、写真全体の情報を自動的に解析し、「入学式」「七五三」「海水浴」といったライフイベントから、最も近しい候補を提示する(報道発表資料:ライフイベント・出来事ごとに写真を自動分類する「AIラベリング」機能をオンラインストレージサービス「マイポケット」に搭載)。

格安SIM選びは「Web記事」の影響大、伊勢で訪日客向けSIM

このほか、一週間の主なトピックを紹介する。

MMD研究所は、格安SIMの利用者を対象にした「格安SIMに関する購買動向調査」を実施した。まず、格安SIM利用者の購買のきっかけになった情報は、Web記事が39.8%とトップで、Web広告が28.7%、店頭が14.8%と続いた。格安SIMの契約の決め手となったのは、価格が安いことが41.1%、評判が良いが38.3%、通信速度が速いが27.2%で、価格を重視する傾向にある(報道発表資料:格安SIM利用者の購買のきっかけになった情報 Web記事39.8%、Web広告28.7%、店頭14.8%)。

伊勢市観光協会は、伊勢市内外宮前観光案内所でNTTコミュニケーションズの訪日外国人向けのプリペイドSIM「Prepaid SIM for Japan」の試験販売を2015年8月3日に開始する。7日間の有効期間中、1日100MBの通信ができる。価格は2980円。2016年開催予定の伊勢志摩サミットを視野に入れ、訪日外国人に対するおもてなし体制を整える(報道発表資料:公益社団法人伊勢市観光協会による訪日外国人向けプリペイドSIMカードの試験販売開始について)。

最後にドコモの話題を2つ。ドコモが開発した「自然対話プラットフォーム」が、三菱東京UFJ銀行の店頭支援用のヒューマノイドロボットの実証実験に採用された。実証実験では、「自然対話プラットフォーム」の持つ意図解釈エンジン、雑談対話エンジンを採用し、金融分野に関する対話だけでなく、幅広い分野の対話や自然な雑談が可能になるという(関連記事:ドコモの「自然対話プラットフォーム」、三菱東京UFJ銀行の店頭ロボットに採用

ドコモは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託により、ドイツ連邦共和国のシュパイヤー市におけるスマートコミュニティ実証事業に参加する。太陽光で発電した電力を地産地消する「自己消費モデル」の確立をめざしたシステムの実証事業を開始する。ドコモのほか、NTTファシリティーズ、日立化成、日立情報通信エンジニアリングが参加するもの(報道発表資料:ドイツにおけるスマートコミュニティシステムの実証事業に参加)。

WirelessWire Weekly

おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)

登録はこちら

岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。