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カリフォルニア ゴミ収集車

防犯かプライバシーか、サンノゼでゴミ収集車にナンバープレート読み取り装置導入の動き

2015.09.14

Updated by Kenji Nobukuni on September 14, 2015, 11:10 am JST

ショッピングセンターの駐車場などで、事前精算機で駐車料金を支払うと出口のゲートが自動的に開くシステムがあるが、その仕組みは画像によるナンバープレートの読み取りを利用しているのだそうだ。入場時にゲートで停車した際に読み取ったナンバープレートを駐車券に磁気記録しておき、事前精算機で駐車料金を払う時にナンバーと料金支払いが記録される。出口では再びナンバープレートを読み取り、料金を支払い済みであることを確認する。我々が知らないうちにナンバープレート読み取り装置はすっかり日常に溶け込んでいる。

さて、カリフォルニア州サンノゼでは、ゴミ収集トラックがナンバープレート読み取り装置を実装するかもしれない。その背景には人口増加に警察の体制が追いつかないという事情があるようだ。ゴミ収集車はほとんどの通りを週に1回は巡回するため、これに可視光や赤外線のカメラを搭載し、路上駐車しているすべての車のナンバーを読み取って、タイムスタンプと位置情報を貼りつけてデータベース化できる。屋外の駐車スペースも巡回すれば読み取り対象にすることはできそうだ。ナンバーと日時と場所の記録があれば、住民から車の盗難の申告があり次第、すぐに過去データに当たることができるし、犯罪に使われた車両が管内にあったかどうかもすぐに分かるようになる。

公共のために走る車両としては、このほかにもバスや救急車などの緊急車両がある。しかし、ゴミ収集車は住宅地の区画をくまなく縫うように、かつ定期的に走るのに対し、バスは比較的幅の広いバス路線だけだし、緊急車両は定期的に出動しない。犯罪多発地域であれば警察官がパトロールするのに合わせてナンバー読み取りも行えばいいかもしれないが、そうでない地域ではゴミ収集という別の大事な目的がある車両に、ついでに読み取らせる方が経済的だろう。同じことを警察官と警察車両でやるには相当大きな額の予算が必要になる。

しかし、一般車両も常時監視対象となることでプライバシー侵害を警戒する声も当然上がっている。いかがわしい店の近くに頻繁に車を停めていることや、浮気相手の家の近所などに定期的に訪れていることなどが警察のデータベースに残っているという事態は好ましいことではないだろうし、そうでなくても理由なく自分の行動を警察に把握されたくないと考える人は多い。

もっとも、ナンバープレート読み取り装置は全米の多くの州ですでに導入されているらしく、サンノゼでも警察車両6台にすでに装備されている。パトカーが公道でナンバープレート情報をすでに読んでいる以上、ゴミ収集という公の委託を受けた事業者の車両が同じことをやっても大差ないというのが導入サイドの言い分のようだ。現時点では正式にゴミ収集車に装備するかどうかは未定で審議中のようである。

【参照情報】
San Jose looks at using garbage haulers to catch car thieves
San Jose Councilman Proposes Mounting License Plate Readers on Garbage Trucks

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来