※画像はイメージです original image: © Antonioguillem - Fotolia.com
T-モバイルが新施策を発表 - HBOやESPN、Netflixなどをデータ通信料無料で提供
2015.11.11
Updated by WirelessWire News編集部 on November 11, 2015, 13:22 pm JST
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2015.11.11
Updated by WirelessWire News編集部 on November 11, 2015, 13:22 pm JST
米携帯通信市場3位のT-モバイル(T-Mobile)は現地時間10日、同社のデータ通信関連の新たな取り組みである「Binge On」を発表。同社のユーザーに対して、20数種類のビデオコンテンツをデータ通信料無料で配信することになるという。
「Binge On」でT-モバイルが提供を予定しているのは、「Netflix」「HBO Now」「HBO Go」「Watch ESPN」「Fox Sports」「Hulu」など24の動画ストリーミングサービス。いっぽうYouTubeやFacebook、Snapchatを通じて配信されるストリーミング動画は対象外となっている。「Binge On」の割引が適用されるのは、月あたりのデータ利用量が3GB以上のデータプランに加入するユーザーで、ストリーミング配信される動画の品質は、HDではなく、DVD並みとなる見込みとされている。
T-モバイルでは、有力動画コンテンツの配信にかかるデータ通信料を無料とすることで、新たな加入者の獲得や既存ユーザーの料金プラン変更などを通じた増収につなげたい考えだという。
T-モバイルは昨年から「Music Freedom」というサービスを提供しており、同サービスのユーザーはSpotifyやGoogle Play Musicなどの音楽ストリーミングをデータ通信料無料で利用できるようになっている。
この話題を採り上げた各媒体では、「Binge On」がいわゆる「zero rating」にあたり、「ネット中立性」の原則に反する可能性があるとする批判的な見方も紹介されている。たとえばThe Vergeでは、T-モバイルがデータ通信料無料化を通じてコンテンツプロバイダーの生殺与奪権を握るおそれがあることや、他のインターネット接続事業者でもBinge Onと同様の施策に乗り出す可能性を指摘している。
それに対して、T-モバイルのジョン・レジャー(John Legere)CEOはRe/codeに対し、同社が「Binge On」に含まれるコンテンツプロバイダー各社から対価を受けとるわけではなく、また対象外のコンテンツのダウンロード速度を抑制するつもりもないなどとして、「ネット中立性」の原則を尊重する姿勢を示している。
なお、Re/codeではスマートフォンユーザーのよる動画視聴の急増について、若者(millennials)の57%がモバイル端末で動画を観ており、「彼らはテレビなど観ない」とするレジャーCEOのコメントを紹介している。またWSJには、T-モバイル加入者のひと月あたりの動画データ消費量について、過去2年間で145%増加しており、現在の月1.6ギガバイトから2020年には8.4ギガバイトに達するとする同社の予想も紹介されている。
【参照情報】
・T-Mobile Will Let Customers Stream HBO, Netflix and ESPN Without Racking Up Data Charges - Re/code
・T-Mobile to Offer Free Video Streaming - WSJ
・T-Mobile is writing the manual on how to fuck up the internet - The Verge
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